この記事ではSESとSIerはどっちがいいのか?について解説します。
IT業界を目指すエンジニアの中には、
SESとSIerってどっちがおすすめなの?
SESとSIerのメリットデメリットを知りたい。
おすすめのIT企業を知りたい。
と気になっている人も多いはず。
そこでこの記事では、SESとSIerはどっちがいいのか?違いやメリットデメリットを解説します。
この記事を読めば下記内容が分かります。
この記事を読み、SESとSIerの違いを知り、どっちに就職するかを検討しましょう。
SESから転職した筆者が紹介。
両方で働いた経験から解説します。
SIerに転職したいエンジニアには、大手企業特化の就職サイトがおすすめ。大手企業に特化しているから、SIer求人が多くおすすめです。
SESとSIerの違い
この章ではSESとSIerの違いを紹介します。
- SESとSIerの違いまとめ
- ITスキルは、SESは深い開発知識、SIerは幅広い知識
- SESの平均年収は約350万円、SIerは約550万円
- どちらにも客先常駐はあるため注意!
SESとSIerの違いを知りたい人は参考にしてみて下さい。
SESとSIerの違いまとめ
SESとSIerの大きな違いとしては、「SESはプログラミングなどの下流工程メイン」「SIerはシステム設計などの上流工程メイン」ということ。下流工程で働くか、上流工程で働くか、が大きな違いとなります。
SESとSIerの違いをまとめた表が下記の通りです。
SES | SIer | |
---|---|---|
働き方 | 客先常駐 派遣 | 自社開発 客先常駐 |
勤務先 | 常駐先 | 自社 or 常駐先 |
主な業務 | 下流工程メイン ・コーディング ・テスト | 上流工程メイン ・要件定義 ・システム設計 |
必要なスキル | プログラミング テスト | 設計スキル プロジェクトマネジメント コミュニケーション能力 |
平均年収 | 約350万円 | 約550万円 |
就職倍率 | 2.16倍 | 7.68倍 |
SESでは下流工程に携わる機会が多く、プログラミング業務がメイン業務。
逆にSIerは上流工程に携わる機会が多く、要件定義やシステム設計がメイン業務となります。
SESとSIerでは、身に付くスキルが異なるため、自分が目指すエンジニア像と比較し、どっちに就職するのかを決めて下さい。
ITスキルは、SESは深い開発知識、SIerは幅広いIT知識
求められるITスキルは、SESは深い開発知識、SIerは幅広いIT知識が求められます。
SESでは基本的に、システム開発の現場に配属され、プログラミングやテストなどを行います。そのため高いシステム開発スキルが要求されます
SIerはシステム開発の上流工程を担当し、要件定義やシステム設計を行います。顧客の課題を解決するために幅広いIT知識が求められます。
- SES…システム開発の下流工程に関する業務が多め。システム開発のプログラミングスキルが必要。
- SIer…メンバー調達や要件定義などの上流工程の業務が多め。幅広いIT知識が必要。
SESとSIerでは業務内容が大きく異なり、どっちに就職するかで、将来のキャリアプランが大きく変わります。
そのため、どっちの働き方が合っているか、どのITスキルを身に付けたいかを考慮し、就職先を検討して下さい。
SESの平均年収は約350万円、SIerは約550万円
年収を重視しているのであれば、SIerの方がおすすめです。
平均年収は、SESよりもSIerの方が高いです。下記SESとSIerの平均年収をご覧ください。
SESとSIerの平均年収の違い
- SESの平均年収:約350万円
- SIerの平均年収:約550万円
平均年収はSIerの方が200万円以上高いです。SIerは一次請け案件が豊富で、中抜きされないため、給料が上がりやすいためです。
逆にSESでは、2次請け、3次請けの下請け案件が多く、中抜きされるため、年収が低いです。
SESでは昇給できる機会も少ないため、年収を重視したいエンジニアは、SIerに転職するのが良いでしょう。
どちらにも客先常駐はあるため注意
SESとSIerはどちらにも客先常駐があることを押さえておきましょう。
一般的にSESが客先常駐ばかりで、SIerは客先常駐なしと思われがちです。しかしSIerでも客先常駐は普通にあります。SIerに就職すると、地方の案件に出向させられることも多いです。
そのため客先常駐をしたくないエンジニアは、SESとSIerのどちらもおすすめできません。
もし客先常駐したくないのであれば、自社開発や社内SEに就職することをお勧めします。自社開発や社内SEだと確実に客先常駐がないため安心です。
客先常駐をしたくないエンジニアには、自社開発・社内SE特化の転職サイトがおすすめ。SESやSIer求人が排除されているからおすすめです。
SESとSIerはどっちがいいのか?
この章では、SESとSIerはどっちがいいのか?についてお話します。
筆者はSES企業で3年間働き、独立系Sierでも数年勤務経験があります。
ここではそんなSESとSIerの勤務経験から、SESとSIerはどっちがいいのか?についてお話します。
- 向いている方で働くのが一番おすすめ
- プログラミングだけしたい人はSES
- コミュニケーションが得意な人はSIer
- 新卒エンジニアはSIerの方が良い
SESとSIer、どっちがいいか悩んでいる人は参考にしてみて下さい。
『新卒でSESはやめとけ』
という記事も書いています。
合わせて参考にしてみて下さい。
向いている方で働くのが一番おすすめ
SESとSIerでは、働き方が全く違うため、どちらが良いか悪いかは、その人の性格によって異なります。
独りで黙々とプログラミングをしたい人にはSESが良いですし、コミュニケーションを取るのが得意な人にはSIerがおすすめです。
SESとSIer、どっちがいいかは、その人自身の性格によるため、自分の性格と合う方に転職するのが良いでしょう。
どっちがいいかは人によって違う
- SESは下流工程が多く、上流にステップアップできない。
- SIerは上流工程が多く、調整業務ばかりになりがち。
性格や適性、スキルによって、どっちが向いているかは異なります。
どっちに転職するかは、自分がどちらに向いているかで判断して下さい。人には向き不向きがあるため、自分の適性に応じて、転職先を決めるのがおすすめです。
SESとSIer、自分がどちらに向いているか知りたい方は、下記を参考にしてみて下さい。
⇒SESに向いているエンジニア、SIerに向いているエンジニアの違い
プログラミングだけしたい人はSES
プログラミングだけしたいエンジニアは、SIerよりもSESの方がおすすめです。
SIerは上流工程の業務が多く、調整業務やメンバー調達など面倒な仕事が多いです。スキルのつかない雑用業務もあります。
そのためSIerはプログラミングだけしたいエンジニアには不向きです。
もしあなたが
プログラミングだけしたい…。
人となるべく会話したくない。
一人で黙々と作業したい。
のであれば、SIerは不向きでしょう。
システム開発以外の業務をしたくないのであれば、SESの方が良いと思います。
コミュニケーションが得意な人はSIer
コミュニケーションが得意なエンジニアには、SIerの方がおすすめです。
SIerは要件定義やシステム設計で、取引先とコミュニケーションを取る機会が多いです。そのためSierはコミュニケーションが好きな人の方が向いています。
SIerは要因調達、メンバーケア、要件定義、打ち合わせなど、マネジメント業務がほとんどなので、人と話すのが得意な人おすすめです。
逆にコミュニケーションが苦手で、一人で黙々と作業したいエンジニアには、SIerは向いていないでしょう。プログラミングだけしたい人は、SESの方が確実に向いています。
新卒エンジニアはSIerの方が良い
新卒エンジニアはSIerの方が良いでしょう。
SESとSIerの両方で働いてみて、新卒エンジニアはSIerに就職すべきだと感じました。その理由は下記の通りです。
新卒にSIerがおすすめな理由
SIerは平均年収が高く、若い内からでも400万円以上は貰えます。逆にSESは350万円ほどしか年収がないため、あまりおすすめできません。
またSIer経験があれば、SESに転職しやすいため、新卒はまずSIerに就職して、合わなかったらSESに転職する。というキャリアでも問題ないです。
SIerの方がメリットが多いため、新卒エンジニアはSIerに就職する方が良いでしょう。
SESに向いている人。SIerに向いている人の違い
この章では、SESに向いている人、SIerに向いている人を紹介します。
エンジニアの中には、SESとSIerどちらに向いているのか分からない人も一定数いるはず。性格的にどっちが長続きするのか知りたいエンジニアも多いでしょう。
そこでここでは、SES、SIerそれぞれに向いているエンジニアの特徴を解説します。
- SESに向いているエンジニアの特徴
- SIerに向いているエンジニアの特徴
自分がどちらに向いているのか知りたい方は参考にしてみて下さい。
SESと自社開発はどっちがいいのか?
についても解説しています。
合わせてどうぞ。
SESに向いているエンジニアの特徴
SESに向いている人の特徴は下記の通りです。
- 下流工程の開発経験を積みたい人
- 黙々とプログラミングしたい人
- コミュニケーションが苦手な人
- 調整業務が嫌いな人
SESはプログラミングスキルを高めたい人におすすめです。要因調達や資料作成などの雑業務がなく、プログラミング業務に集中できるので、ITスキルを高めやすいです。
逆に上流工程でプロジェクトマネジメントしたい人には、SESは不向きです。SESで働くと、下流工程から脱出しにくいので、そこは注意が必要です。
SIerに向いているエンジニアの特徴
SIerに向いている人の特徴は下記の通りです。
- コミュニケーションが好きな人
- 上流工程で働きたい人
- マネジメントスキルを高めたい人
- 平均年収を上げたい人
SIerは上流工程の業務が多く、マネジメント職にステップアップしやすいです。将来的にプロジェクトリーダーとして、案件に携わりたいエンジニアにおすすめです。
逆にコミュニケーションが苦手なエンジニアは、SIerは辞めておいた方が良いでしょう。会話が苦手な人には、SIerは向いていないです。
SIerに転職したいエンジニアには、大手企業特化の転職サイトがおすすめ。大手企業の求人が多いため、SIer就職しやすくおすすめです。
SESとSIerそれぞれのメリットデメリット
この章ではSESとSIerのメリットデメリットを紹介します。
- SES(客先常駐)のメリット・デメリット
- SIerのメリット・デメリット
SESとSIerどっちがいいか分からないエンジニアは参考にしてみて下さい。
SESと社内SEはどっちがいいのか?
についても解説しています。
合わせてどうぞ。
SESのメリット・デメリット
SESのメリットとデメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
職場が嫌なら案件を変えられる 自社の面倒な飲み会に参加しなくてもいい プログラミングスキルを高められる 一人で黙々と仕事がしやすい | 器用貧乏なエンジニアになりやすい 客先常駐で帰属意識が薄れやすい 案件待機が長引くと実務経験が積めない 人見知りだと常駐先に馴染めない |
SESの一番のメリットは、コミュニケーションの機会が少ないこと。人との関りがSIerよりも少ないため、人とあまり関わりたくないエンジニアにおすすめです。
逆にSESの一番のデメリットは、客先常駐で帰属意識が薄れやすいこと。常駐先で働き続けると、会社への不満が募り、辞めたいと感じやすいです。
SIerのメリット・デメリット
SIerのメリットとデメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
設計や要件定義などの上流工程の経験が積める キャリアの幅が広い(ITコンサル、自社開発など) 下請け案件が少なく、1次請けが多い 平均年収が高い(約550万円) | 調整業務ばかりになりがち 資料作成や会議の仕事が多い プログラミングの機会が少ない 意外と客先常駐が多い |
SIerの一番のメリットは、上流工程の経験を積みやすいこと。SESに比べて、要件定義やシステム設計の業務が多いです。ITコンサルや自社開発への転職がしやすく、キャリアの幅が広いのもおすすめポイントです。
逆にSIerの一番のデメリットは、調整業務ばかりなこと。資料作成や要因調達の仕事が多く、スキルを磨きたいエンジニアにはおすすめできません。
SESとSIerのおすすめ企業一覧
最後に、SESとSIerのおすすめ企業一覧を紹介します。
- SES企業一覧
- SIer企業一覧
就職先企業の例として参考にしてみて下さい。
SESとSIerの具体的な企業を知り、求人に応募してみましょう。
SES企業一覧
SES企業の中でも、従業員数が多く、高年収の企業は下記の通りです。
会社名 | 従業員数 | 平均年収 |
---|---|---|
SCSK株式会社 | 14,938名 | 764万円 |
株式会社メイテック | 8,080名 | 528万円 |
株式会社システナ | 4,506名 | 461万円 |
株式会社NSD | 3,560名 | 543万円 |
株式会社DTS | 3,071名 | 601万円 |
株式会社アルファシステムズ | 2,906名 | 605万円 |
株式会社アイ・エス・ビー | 2,356名 | 464万円 |
TDCソフト株式会社 | 1,836名 | 611万 |
式会社フォーカスシステムズ | 1,304名 | 565万円 |
SES企業の多くは中小企業ですが、中には大手と呼ばれるSES企業も存在します。
出世していけば、管理職になれ、年収も1000万円を超えることが可能です。興味がある方は上記企業の求人に応募してみて下さい。
SIer企業一覧
高年収な大手SIer企業の一覧は下記の通りです。
会社名 | 種類 | 平均年収 |
---|---|---|
電通国際情報サービス | ユーザー系 | 1047万 |
オービック | 独立系 | 959万 |
日立製作所 | メーカー系 | 890万 |
NEC | メーカー系 | 863万 |
ネットワンシステムズ | 独立系 | 861万 |
日鉄ソリューションズ | ユーザー系 | 855万 |
大塚商会 | 独立系 | 822万 |
富士通エフサス | メーカー系 | 817万 |
日立システムズ | メーカー系 | 812万 |
NECネッツエスアイ | メーカー系 | 802万 |
ユーザー系SIerやメーカー系Sierは、大手企業の子会社が独立した企業です。※独立系SIerは元からIT企業として出発した企業
基本的には元々の企業が大手であればある程、平均年収は高い傾向にあります。将来的に食いっぱぐれたくない人は、新卒の内に上記のSIerに就職すると良いでしょう。
大手SIerはネームバリューもあるため、次の転職先が決まりやすくおすすめです。
まとめ:SESとSIerはどっちがいいのか?違いやメリットデメリット
以上で、「SESとSIerはどっちがいいのか?違いやメリットデメリット」の解説を終了します。
下記この記事のまとめです。
SESとSIerどっちで働くのが良いかの結論は下記の通りです。
- 向いている方で働くのが一番おすすめ
- プログラミングだけしたい人はSES
- コミュニケーションが得意な人はSIer
- 新卒エンジニアはSIerの方が良い
SESとSIerの両方で働いた経験から申し上げると、自分に向いている方で働くのがおすすめです。
SESとSIerどちらにもメリットデメリットがあるため、一概にどちらが良いかは分かりません。そのため、性格的に自分にあっている方に転職するのがおすすめです。
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SESで働いた経験から
「SES企業の見分け方」
も解説しています。
客先常駐なしで働きたいエンジニアは、参考にしてみて下さい。