この記事では、SESでずっと同じ現場にいるメリットとデメリットについて解説します。
SES企業で働くエンジニアの中に、
SESでずっと同じ現場にいる。
早く案件を抜けたい。
SESは同じ現場で何年働けるの?
と気になっている方も多いはず。
そこでこの記事では、同じ現場にいるヤバさや同じ現場にいるメリットとデメリットを解説します。
この記事を読めば下記内容が分かります。
この記事を読み、SESでずっと同じ現場にいる時の対処法を知り、今の現場から脱出しましょう。
SESで勤務経験のあるエンジニアが紹介。
SESで働いた実体験から解説します。
SESを辞めたいエンジニアには、自社開発・社内SE特化の転職サイトがおすすめ。SESや派遣企業の求人が排除されているから安心です。
SESは同じ現場で何年働けるのか?
この章ではSESは同じ現場で何年働けるのか?について解説します。
SESでは具体的に何年働けるのか?平均契約期間はどれくらいか?について紹介します。
- SES契約の場合は何年でも働ける(期間制限なし)
- 派遣の場合は3年まで(3年ルール)
- 現場の平均契約期間は約3カ月
- 現場を変えるのは最低1ヶ月はかかる
同じ現場が続き悩んでいるエンジニアは参考にしてみて下さい。
『SES転職のベストタイミング』
についても解説しています。
合わせて参考にしてみて下さい。
SES契約の場合は何年でも働ける(期間制限なし)
SES契約で常駐している場合は、同じ現場で何年でも働けます。
SES契約(準委任契約)は、派遣契約と違い、現場の期間制限がありません。期間制限がない理由は、エンジニアの技術力を提供することが目的だからです。
SES契約は技術力提供が目的であり、労働力を提供している訳では無いため、期間無制限で働けます。
そのためSES契約では、数ヶ月で終わる現場もあれば、数年以上働く現場もあります。筆者の先輩には、SESで8年以上、同じ現場で働いている人もいました。
SESの現場の期間は、本人の能力やプロジェクトの内容によって大きく異なります。「エンジニア本人の能力が高い」&「運用保守の案件」の2つの条件が重なると、ずっと同じ現場で働くことが多い印象です。
派遣の場合は3年まで(3年ルール)
派遣契約で常駐している場合は、同じ現場は3年まで働けます。
派遣契約では、同じ現場で3年までしか働けません。これは派遣契約の3年ルールが適用されるからです。
労働者派遣法で、「同じ事業所で3年を超えて働くことはできない」と定められています。
同じ事業所で3年を超えて働くことは、基本的にできません。一定の手続を経れば、3年を超えて働くことはできますが、異なる「課」などへ異動することが必要です。
上記のように、派遣契約は期間制限が設けられています。
そのため、派遣契約で現場に入る場合は、4年以上同じ現場で働けません。
所属部署を変更したり、待機期間を設けたりして、一度現場を抜ける必要があります。
契約の平均期間は1~3カ月
現場の契約期間は、数ヶ月という短いものから、5~10年と長期に及ぶものまで、様々あります。
基本的な契約では、始めに期間1カ月で契約し、働きぶりを見て、契約期間を3カ月、半年と更新されるケースが多いです。
また案件に参画するフェーズによっても、期間は変わります。上流工程から参加する場合は、期間は1年を超える場合が多いです。逆に下流工程から参加する場合は、数ヶ月程度に留まるることがほとんどです。
状況によって違いますが、大体の契約期間は、3カ月~半年の間が多いようです。
「筆者がSESの現場で3カ月働いた体験談」も紹介しています。合わせて参考にしてみて下さい。
現場を変えるのは最低1ヶ月はかかる
SESで現場を変えるのは、最低1ヶ月はかかります。
エンジニアが現場変更になると、要因調達や業務引継ぎなどの業務が発生するためです。
現場変更時の引継ぎ業務
- 後任育成
- 業務引き継ぎ
- 要因調達
- 現場の調整
- 開発スケジュールの調整
退場するエンジニアの在籍が長ければ長いほど、現場変更に掛かる期間は伸びるでしょう。
在籍期間が長いと、その分引き継ぐ業務も多くなり、現場変更に2カ月、3カ月は時間が必要です。
今すぐ客先常駐を抜けたいエンジニアは、下記の記事を参考にしてみて下さい。
SESでずっと同じ現場が続く理由
この章では、SESでずっと同じ現場が続く理由を紹介します。
- エンジニアの貢献と実績が認められた結果
- 自社に見放されている
- プロジェクトの長期化
現場が長期化する理由を知りたいエンジニアは参考にしてみて下さい。
筆者も同じ現場で数年間勤務した経験があります。
その経験から同じ現場が続いてしまうのか?を紹介します。
エンジニアの貢献と実績が認められた結果
SESでずっと同じ現場にいるのは、貢献と実績が認められた結果かも知れません。
当たり前の話ですが、スキルの低い、使えないエンジニアは長期間契約できません。仕事のできないエンジニアは、数ヶ月で契約解除になりやすいです。
長期的に契約が続いているということは、能力が認められているということ。
契約を切られず1年、2年、3年と同じ現場にいるのであれば、貢献と実績が認められています。そのため同じ現場で働かされて辛い、と考える必要はありません。
ずっと同じ現場であることは、現場から評価されているため、そこまで悲観する必要はないでしょう。
自社に見放されている
ずっと同じ現場で働かされている場合は、自社に見放されている可能性もあります。
長期間同じ現場にいる人の中には、会社から無能扱いされている人もいます。仕事ができないため、同じ現場に閉じ込めるケースもあります。
あのエンジニアは無能だから現場移動できない。
他の企業に紹介する訳にはいかない。
同じ現場に閉じ込めておこう。
エンジニアを同じ現場に閉じ込め、無視や放置しているケースもあります。
仕事ができず、自社の社員に見放されている時は、注意するようにして下さい。
最悪の場合、SES企業をクビになる可能性がありますから。
プロジェクトの長期化
プロジェクトの長期化も、ずっと同じ現場になる要因です。
IT業界では、大規模な開発プロジェクトや長期的な保守運用が珍しくありません。大規模プロジェクトの場合、要件定義から開発完了まで数年かかるものもあります
このような長期プロジェクトの状況下では、エンジニアの継続的な配置が必要となります。
長期プロジェクトでは、人員の途中交代は、プロジェクトの進行に支障をきたす恐れが。そのため、同じエンジニアがずっと同じ現場に配属されることになります
SESでずっと同じ現場で働くメリット
この章では、SESでずっと同じ現場で働くメリットを紹介します。
- 信頼獲得による責任ある立場への昇格
- より深い専門的なスキルの獲得
- システム開発の一連の流れを経験できる
- 長期的常駐による単価アップ
ずっと同じ現場で働いている人は参考にしてください。
『スキル不足で現場を退場したい時の対処法』
も参考にしてみて下さい。
信頼獲得による責任ある立場への昇格
ずっと同じ現場にいる一番大きいメリットが、信頼獲得による責任ある立場への昇格です。
SESで同じ現場に3年以上いると、責任ある立場を任されることがあります。
最初は普通の開発者として案件に参画して、仕事をこなしていくうちに、現場の最長者に。現場に一番詳しい責任者として、管理職的なポジションを任されることがあります。
プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなど。長期間在籍することで、開発者からリーダーに、立場が昇格することがあります。
単価アップや自社での昇格にも繋がるため、同じ現場で働くメリットを感じやすいでしょう。
より深い専門的なスキルの獲得
専門的な深いスキルは、ずっと同じ現場にいた方が獲得しやすいです。
SESの場合、現場がコロコロ変わると、専門的なスキルは身に付きにくいです。現場が変わると、その度に扱うスキルが変わるため、専門性が身に付きません。
結果的に専門性の低い、器用貧乏なエンジニアになりやすいです。
現場がコロコロ変わると器用貧乏になりやすい
現場が変わってまた違う言語に。
また一からプログラミング言語を学び直し…。
専門性が身に付かない。
現場がコロコロ変わると、上記のように専門性が身に付きません。
ですが、ずっと同じ現場で働くことができれば、専門性のあるスキルが身に付きやすいです。
専門性が身に付けば、年収もグッと上がるため、同じ現場で働くこともおすすめです。
システム開発の一連の流れを経験できる
システム開発の一連の流れを経験できることも、同じ現場で働くメリットです。
プロジェクトの初期から同じ現場で働くと、上流工程から下流工程まで、一連の開発を経験できます。
システム設計から参加させてもらい、開発フェーズを経て、運用保守に至るまで。長く在籍することで、システム開発の一連の流れを体験できます。
数ヶ月だけの案件では、このような一連の流れは経験できないため、同じ現場で働くのも良いでしょう。
長期的常駐による単価アップ
ずっと同じ現場にいるメリットとして、長期的常駐による単価アップも挙げられます。
同じ現場に長く常駐すると、取引先が単価アップしてくれることがよくあります。
君は長く働いてくれてるから、私の方から単価アップを進言しておく。
これからも頑張ってね。
上記のように、長期的に現場に貢献していることが認められ、単価アップしてくれます。
結果的に年収もUPしやすいため、同じ現場で働き続ける方が、給料は上がりやすいです。
SESでずっと同じ現場で働くデメリット
この章ではSESでずっと同じ現場で働くデメリットを紹介します。
- 経験の幅が狭くなる
- モチベーション・やる気の低下
- ITスキルの石化
- スキルのつかない現場で人生終了
ずっと同じ現場で働いている人は参考にしてください。
経験の幅が狭くなる
SESでずっと同じ現場で働くと、経験の幅が狭くなりやすいです。
ずっと同じ現場にいると、扱うスキルが少なく、経験が狭くなりがちです。
同じ現場が続くと視野が狭くなる
筆者が勤めるSES企業には、新卒の頃から、ずっと同じ現場で8年間働き続けている先輩がいます。しかしその先輩は、Javaしか使ったことがありません。
Javaしか扱ったことが無いため、「知見が少なく、視野が狭くなっている」と嘆いていました。
同じ現場で働き続けるのは、悪いことではありませんが、違う現場を経験しておく方が、将来的な視野は広がりやすいでしょう。
モチベーション・やる気の低下
SESでずっと同じ現場で働くと、モチベーションが低下しやすいです。
人間の習性上、同じ場所に居続けると、マンネリ化しやすいです。同じ仕事をくり返し続けることで、飽きたり、新鮮さが無くなります。
上司が現場を変えてくれない憤りも合わさって、やる気が下がりやすいです。
特に運用保守案件をずっと続けると、スキルも身に付かず、開発経験も積めないので注意が必要。
モチベーションが下がっているSESエンジニアは、現場変更を検討するようにして下さい。
ITスキルの石化
ITスキルが石化してしまうことも、ずっと同じ現場で働く大きなデメリットです。
同じ現場で働き続けると、同じスキルや技術しか使いません。C言語やCOBOLなどのマイナーな言語であっても、その言語を使い続けなければなりません。
同じ言語を使い続けることで、専門性が身に付きますが、エンジニアとして幅広い経験を積めないです。
結果として、ITスキルが石化してしまい、応用力のないエンジニアになりやすいです。
スキルの石化を避けたい場合は、案件変更を検討した方が良いでしょう。
スキルのつかない現場で人生終了
SESでずっと同じ現場は、スキルのつかない現場の場合、人生終了してしまうので注意して下さい。
配属された現場でスキルが身に付けば良いですが、もしスキルのつかない現場にいるのであればかなり危険です。
スキルのつかない現場で何年も働くと、何も成長できず時だけが経過してしまいます。
ITスキルのつかない現場
上記のような現場で、長期間働くと、スキルのない、使えないエンジニアになってしまいます。
転職や出世もできず、人生台無しになってしまうため注意して下さい。
スキルのつかない現場にいる場合は、今すぐ現場を変えることをおすすめします。
SESで現場(常駐先)を抜け出す方法
この章では、SESで現場(常駐先)を抜け出す方法を解説します。
ずっと同じ現場でいる場合に、具体的にどうアクションすればいいのか?その方法を紹介します。
- 上司や会社に相談する
- 会社を辞めて、別の企業で働く
- 別の部署に異動する
- 社内のキャリアアップ制度・昇格制度を利用する
SESで同じ現場で働き続け、辛いエンジニアは参考にしてみて下さい。
現場を変えるための方法を紹介します。
上司や会社に相談する
合わない現場を変えたいときは、まず初めに会社や上司に相談し、案件変更をお願いしましょう。
下記のように
ここ3年同じ現場で働いたため、そろそろ案件を変更したい。
知見を広げたいため、違う現場に異動したいです。
と上司に相談してみて下さい。
上司が理解ある人だったり、会社が社員のことを思っているのであれば、案件を変更してくれます。知見を広げられる案件に異動させてくれるはずです。
もし上司や会社が、案件変更してくれない場合は、転職を検討して下さい。エンジニアの意見を尊重してくれない会社に居続けるのは危険です。
会社を辞めて、別の企業で働く
もし同じ現場を変えてくれないのであれば、会社を辞めて別のSES企業で働くようにして下さい。
現場を変えたいのに変更できない、希望通りの案件をやらせてもらえない。と悩んでいるエンジニアは、いっそのこと転職するのもおすすめです。
案件の変更しやすい優良SES企業に転職するようにしましょう
転職することで視野が広がり、新しいスキルが身に付くのでおすすめです
SESから転職したいエンジニアは、IT業界特化の転職サイトがおすすめ。IT業界に特化しているから、エンジニア求人が多く、自分に合った求人が見つかりやすいです。
別の部署に異動する
現場を変えたい場合は、別の部署に異動するのも一つの手です。
上司や課長に相談しても、案件を変えられない時は、部署を変えるのが効果的です。部署を変えれば、自動的に案件も変わることが多々あるからです。
・SES事業部⇒データ利活用推進部
・SES事業部⇒営業部
・SES事業部⇒社内インフラチーム
上記のように今の部署から、部署異動することで、案件を変えられることがあります。
まずは人事部や別の部署に相談し、部署異動を検討してみて下さい。
社内のキャリアアップ制度・昇格制度を利用する
現場を変えたい場合は、社内のキャリアアップ制度・昇格制度を利用するのもおすすめです。
社内制度で立場を変えることで、現場変更できる可能性もあります。
上司に相談しても、案件を変えられないときは、積極的に社内の制度を活用しましょう。
キャリアアップ制度・昇格制度で現場を抜ける
- キャリアアップ制度でインフラエンジニアに⇒インフラ案件に異動が決定
- 昇格制度で係長に昇進⇒リーダー案件の紹介へ
- キャリアアップ制度で部署異動に成功⇒自動的に案件も変更
社内の制度に積極的に応募すれば、上司や社内の評価がUP。
結果的に案件変更に繋がったり、出世の足掛かりになったり、とメリットも大きいです。
ずっと同じ現場にいて、キャリアに行き詰まりを感じているエンジニアは、ぜひ社内制度を利用してみて下さい。
まとめ:SESでずっと同じ現場にいるのは危険|同じ現場で働ける期間
以上で、「SESでずっと同じ現場にいるのは危険|同じ現場で働ける期間」の解説を終了します。
下記この記事のまとめです。
SESでずっと同じ現場にいるメリットデメリットは、下記の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
信頼獲得による責任ある立場への昇格 より深い専門的なスキルの獲得 システム開発の一連の流れを経験できる長期的常駐による単価アップ | モチベーション・やる気の低下 経験の幅が狭くなる ITスキルの石化 スキルのつかない現場は人生終了 |
メリットとデメリット、どちらを重視するかで、現場を変更するかどうか、検討するようにして下さい。
SESは同じ現場で何年働けるのか?の結論は、下記の通りです。
- SES契約の場合は何年でも働ける(期間制限なし)
- 派遣の場合は3年まで(3年ルール)
- 現場の平均契約期間は約3カ月
- 現場を変えるのは最低1ヶ月はかかる
SES契約の場合は無期限で働け、派遣契約の場合は3年までしか同じ現場で働けません。
現場変更は最低でも1ヶ月は掛かるため、すぐに抜けたいときは、早い目に上司に相談して下さい。
SES企業を転職したいエンジニアには、IT業界特化の転職サイトがおすすめです。IT業界に特化しているから、エンジニア求人が多く、自分に合った求人が見つかりやすいです。
SESで客先常駐した経験から
「今すぐ辞めるにはどうすればいいか」
も紹介しています。
SESの現場が辛いエンジニアは、参考にしてみて下さい。