この記事ではIT業界が派遣ばかりする理由を解説します。
IT業界への就職を検討する人の中に
IT業界は派遣ばかりって聞くけど本当?
IT企業は客先常駐しかないの?
派遣なしのIT企業に就職したい…。
と悩んでいる人も多いはず。
そこでこの記事では、IT業界が派遣ばかりする理由や派遣なしのIT企業に就職する方法を紹介します。
この記事を読めば下記内容が分かります。
記事を読んで、IT業界の派遣ばかりの現状を知り、IT派遣なしのIT企業に就職しましょう。
IT業界で働いた中堅エンジニアが解説。
SESから社内SEに転職した経験から解説します。
派遣なしのIT企業に就職したい方には、自社開発・社内SE特化の転職サイトがおすすめ。エンジニア派遣企業の求人が排除されているおすすめです。
IT業界が派遣ばかりする理由
この章ではIT業界が派遣ばかりする理由を紹介します。
「IT業界は派遣ばかり」「IT企業は客先常駐しかない」と世間ではよく言われています。
なぜIT業界が派遣ばかりになっているのか?その理由について、SES企業で働いた実体験から解説します。
- エンジニア派遣がビジネス的にリスクが小さい
- 客先常駐の割合が90%以上を超えている
- エンジニア不足により企業ニーズがある
- 日本は受託開発が多く、多重下請け構造
IT業界が派遣ばかりの理由を知りたい人は参考にしてみて下さい。
客先常駐なしのIT企業に就職する方法も解説中。
派遣や客先常駐をしたくない人は参考にして下さい。
エンジニア派遣がビジネス的にリスクが小さい
企業側からするとエンジニア派遣はビジネス上リスクが小さいです。
エンジニア派遣は資本金が少なくても始められるビジネスで、参入障壁がかなり低いです。
派遣はビジネスを始めやすく、収益も安定しやすいため、多くのIT企業が派遣ばかりしているのです。
エンジニア派遣のリスクが小さい理由
- 自社システム開発のような初期投資が必要ない。
- 使えないエンジニアを切りやすい。
- 広いオフィスが必要ない。(固定費が安い)
- 少人数から始められる。
ビジネスの観点から見ると、エンジニア派遣は、リスクが小さく、資本金がなくても始めやすいです。
このようなビジネス上の始めやすさがあるため、IT企業が派遣ばかりとなっています。
客先常駐の割合が90%以上を超えている
IT業界が派遣ばかりと言われているのは、90%以上のIT企業が客先常駐をしているためです。
IT企業のほとんどが、取引先にエンジニアを常駐させて働かせる、客先常駐を行っています。
実際に公的機関の調査で、IT企業の90%以上が客先常駐をしていると答えています。
上記の図は厚生労働省が運営する「働き方・休み方改善ポータルサイト」のアンケート調査結果です。
グラフを見ると、客先常駐をしているIT企業は、90%以上存在していることが分かります。
データで見ても派遣や客先常駐などの働き方が主流となっているため、IT業界は派遣ばかり、と言われるのは当然ですね。
エンジニア不足により企業ニーズがある
日本ではITエンジニアが不足しているため、IT派遣は企業ニーズがあります。
エンジニア派遣はニーズがあり儲かりやすいため、IT派遣企業ばかり蔓延しているのです。
実際に、日本では今後30万人以上、IT人材が不足すると予測されています。下記のデータをご覧ください。
上記のグラフはみずほ情報総研株式会社が調査した『IT 人材需給に関する調査』です。
グラフを見ると「日本のIT人材は2030年に30万人不足する」という調査結果が分かります。このようなエンジニア不足の現状があるため、どこの企業もエンジニアを欲しています。
エンジニア不足のため、単価が上がりやすく、契約も取りやすいため、エンジニア派遣は儲かりやすいです。結果として、IT業界が派遣ばかりとなっているのです。
日本は受託開発が多く、多重下請け構造
日本は受託開発が多く、下請け企業ばかりなので、派遣が多い状態となっています。
日本のIT業界のシステム開発は、下記のようなピラミッド型の下請け構造になっています。下流工程に行くほど、派遣や客先常駐が横行している現状です。
元請け企業がシステム開発を依頼⇒2次請けがエンジニアを派遣要求⇒3次請け企業がエンジニアを派遣
と言った形で、元請けから下請けに商流が下り、エンジニアが派遣されるケースが多いです。
日本のIT業界では、自社開発の文化がなく、外部に委託して開発する受託開発が主流。このような受託開発が主流になっているから、エンジニア派遣ばかりとなっているのです。
派遣なしのIT企業に就職する方法
この章では、派遣なしのIT企業に就職する方法を紹介します。
IT業界志望の転職者やエンジニアの中には、「派遣だけは絶対にやりたくない」という人も一定数いるはず。中には派遣なしのIT企業だけに就職したい人も多いでしょう。
そこでここでは、確実に派遣なしのIT企業に就職する方法を解説します。
- 自社開発・社内SE特化の転職サイトを利用する
- 自社システム・サービスのある企業に就職する
- 大手のIT企業に就職する
客先常駐や派遣をしたくないエンジニアは、参考にしてみて下さい。
SESから派遣なしの社内SEに転職した経験から解説。
実際にやって良かった方法を紹介します。
自社開発・社内SE特化の転職サイトを利用する
派遣なしのIT企業に就職したいエンジニアは、自社開発・社内SE特化の転職サイトが一番おすすめです。
自社開発や社内SEに特化した転職サイトは、派遣企業の求人が排除されています。
そのため自社開発・社内SE特化の転職サイトを利用すれば、確実に派遣企業を回避できるでしょう。
- エンジニア派遣企業の求人が排除されている。
- 厳選された優良IT企業のみ紹介。
- 自社エンジニアや社内SEの求人が豊富にある。
自社開発や社内SEに特化しているから、派遣企業の求人が無いから安心。
確実にエンジニア派遣なしのIT企業に転職できるでしょう。
派遣なしのIT企業に就職したい方には、自社開発・社内SE特化の転職サイトがおすすめ。IT派遣企業の求人が排除されておりおすすめです。
自社システム・サービスのあるIT企業に就職する
自社システム・サービスがあるIT企業も、派遣なしで働け、就職先におすすめです。
誰もが聞いたことのある自社システムを開発している企業は、派遣が少ない傾向にあります。
自社システムの開発がメイン業務で、自社で働ける可能性が高いからです。。
・OBIC…人事・給与計算ソフト
・楽々清算…領収書管理・給与計算ソフト
・らくしふ…シフト管理ソフト
上記のような誰もが聞いたことのある自社システムを持つIT企業は、自社開発しやすく派遣なしで働けるでしょう。
派遣なしのIT企業に転職する際は、有名な自社システム・サービスがあるか、ホームページでチェックして下さい。
大手のIT企業に就職する
大手のIT企業に就職することも、IT派遣企業の回避におすすめです。
大手IT企業は客先常駐や派遣の仕事が少ない傾向にあります。
大手のIT企業が派遣なしの理由
- 自社サービスや自社システムが多く、派遣をする必要がない。
- 1次請け案件が多く、自社で仕事がしやすい。
- 自社のエンジニアが豊富で、派遣をする必要がない。
- 下請けではないから。
大手ほど自社開発や元請け案件が豊富で、自社で業務がしやすいです。
派遣なしのIT企業に就職したいエンジニアは、できるだけ従業員の多い、大手企業に就職しましょう。
逆に中堅SIerや中小IT企業は派遣ばかりなので注意が必要です。
派遣なしの大手IT企業に就職したい場合は、大手企業に特化した転職サイトがおすすめ。中小、下請け企業が排除されているため、確実に大手企業に就職できるでしょう。
- シンシアード
【公式サイト】シンシアード
大手人気企業のハイクラスポジションに特化した転職サイト。サントリー、三井不動産、リクルートなどの超大手企業の求人が豊富。
派遣ばかりするIT企業の特徴
この章では、派遣ばかりするIT企業の特徴を解説します。
IT企業の中には、エンジニアを無理やり派遣するブラックIT企業も存在します。
派遣を回避するために、派遣ばかりやらせるIT企業の特徴を紹介します。
- 自社システムやサービスがない
- 従業員が少ない(下請けの中小IT企業)
- 未経験エンジニアばかり募集する
IT派遣企業の特徴を知り、回避できるようにして下さい。
SES企業で派遣を経験した筆者が
派遣企業の特徴を紹介します。
自社システムやサービスがない
自社システムやサービスがないIT企業は、派遣ばかりしている可能性がかなり高いです。
強みとなる自社システムがない企業は、派遣やSESをすることで収益を得ています。
エンジニアを派遣することでしか売上を立てられないため、派遣をしているケースがほとんどです。
自社システムがないと派遣率が高い
- 自社システムがないと、派遣やSESでしか収益を得られない。
- 下請けになりやすい。
自社システムや自社サービスがない企業は、IT派遣率がかなり高いです。
会社のホームページを見て、有名システムやサービスがないかチェックしてみて下さい。
自社システムやサービスがなければ、ほぼ確実にエンジニア派遣企業です。
従業員が少ない(下請けの中小IT企業)
従業員が少ないIT企業も、エンジニア派遣企業の可能性がかなり高いです。
一般的に中小IT企業になるほど、下請けであることが多く、派遣や客先常駐になりがち。
中小企業は資本金が少なく、自社システムを開発できないため、派遣事業になりやすいです。
自社システムを開発したいけど資本金が足りない。
スキルのあるエンジニアがいないから厳しい。
エンジニア派遣で売上を立てるしかない。
従業員が少ない中小企業は、大手IT企業の下請けになりやすいです。下請けになった結果、派遣や客先常駐をするしかないケースも多いです。
中小IT企業は派遣ばかりのため、転職は避けた方が良いでしょう。
未経験エンジニアばかり募集する
未経験エンジニアばかり募集する企業も、派遣をしている可能性が高いです。
一般的に派遣業は、ITスキルが低くても成り立つビジネス。スキルの低いエンジニアでも、探せば派遣できる現場があり、派遣さえすれば収益が発生するからです。
IT派遣企業は、積極的に未経験エンジニアを募集する傾向にあります。
上記のような未経験エンジニアを募集する求人を見つけたら、IT派遣企業を疑ってください。
未経験エンジニアばかりを採用するのは、SES企業やエンジニア派遣企業の大きな特徴です。
エンジニアがIT派遣をするメリット・デメリット
最後にエンジニアがIT派遣をするメリット・デメリットを解説します。
IT派遣企業に就職するかどうか迷っている人は参考にしてみて下さい。
- IT派遣のメリット
- IT派遣のデメリット
IT派遣はメリット・デメリットあるので、良い面と悪い面を比較しておきましょう。
IT派遣のメリット
エンジニア側から見た、IT派遣企業のメリットは下記の通りです。
- ITスキルがあればかなり稼げる。
- 上流工程が少なく、開発に集中できる。
- フリーランスエンジニアに転身しやすい。
- 合わない職場であれば、すぐに職場を変えられる。
エンジニアの派遣は、普通の派遣と違って、ITスキルが高ければ高いほど年収が上がります。
そのためプログラミングスキルの高い人や高難易度のIT資格を持つ人におすすめです。
IT派遣のデメリット
エンジニア側から見た、IT派遣企業のデメリットは下記の通りです。
- プログラミングスキルが無いと低年収になりやすい。
- 下流工程ばかりで、上流工程にステップアップしにくい。
- スキルがないとすぐに契約を切られる。
IT派遣はITスキルが低いと、単価が安くなり、年収が低くなりやすいです。
また上流工程にステップアップしにくいため、キャリアの幅が狭くなりがちです。
IT派遣企業に就職したい場合は、このようなメリットデメリットを理解した上で、キャリアを決定して下さい。
まとめ:IT業界が派遣ばかりする理由|派遣なしのIT企業に就職する方法
以上で、IT業界が派遣ばかりする理由|派遣なしのIT企業に就職する方法の解説は終了です。
下記この記事のまとめです。
IT業界が派遣ばかりとなっている主な理由は下記の通りです。
IT業界が派遣ばかりする理由
- エンジニア派遣がビジネス的にリスクが少ない
- 客先常駐の割合が90%以上を超えている
- エンジニア不足により企業ニーズがある
- 日本は受託開発が多く、多重下請け構造
IT業界で派遣が蔓延しているのには、日本のIT業界の構造的な問題があるからです。
IT派遣なしの企業に就職したい場合は、自社開発・社内SE特化の転職サイトを使うのがおすすめです。
社内SEに興味ある新卒エンジニアは、下記の社内SE特化の転職サイトを利用してみましょう。
自社開発に転職したい新卒エンジニアは、下記の自社開発特化の転職サイトを利用してみて下さい。
SES企業で働いた経験から、
「インフラエンジニアが客先常駐なしで働く方法」
も紹介しています。
合わせて参考にしてみてください。