この記事ではSESで常駐先に転職するのは禁止なのか?について解説します。
SES企業のエンジニアの中には、
SESで常駐先に転職するのは禁止?
客先に転職するのは可能なの?
常駐先に転職する方法を知りたい。
と悩んでいる人も多いはず。
そこでこの記事では、常駐先転職が禁止ではない理由やSESの客先転職の方法を解説します。
この記事を読めば下記内容が分かります。
この記事を読み、SESで客先に転職する方法を知り、客先への転職を成功させましょう。
SESから社内SEに転職した筆者が紹介。
SESから転職した実体験から解説します。
SESから転職したいエンジニアには、自社開発・社内SE特化の転職サイトがおすすめ。SES企業の求人が排除されているから、確実にSESから脱出できるでしょう。
SESで常駐先に転職するのは禁止なのか?
この章では、SESで常駐先に転職するのは禁止なのか?について解説します。
憲法や法律などの観点から、客先転職の是非について考えていきます。
- 客先への転職は禁止ではない
- 憲法 第22条「職業選択の自由」
- 民法 第627条「退職の自由」
常駐先への転職を検討しているエンジニアは参考にしてみて下さい。
『30代SESエンジニアにおすすめの転職先』
も紹介しています。
客先への転職は禁止ではない
結論として、SESで客先に転職するのは禁止ではありません。
日本では憲法と民法で「働く場所が自由である」ことが規定されているからです。
上記2つの権利を侵害することは、何人たりともできません。
もし仮に、就業規則で常駐先への転職を禁止していたとしても、法的な拘束力はありません。常駐先に転職しても問題ないでしょう。
ただ客先への転職は、同じ社内のエンジニアやSES企業側からすると嫌なもの。道徳的にあまり良いものではなく、タブーとされているため注意が必要です。
憲法 第22条「職業選択の自由」
日本の憲法で職業選択の自由が保障されているため、常駐先への転職は禁止ではありません。
実際に憲法第22条で、労働者が従事する職業を決定する自由を保有していることが規定されています。
憲法22条に規定する職業選択の自由について
日本国憲法(昭和21年憲法)第22条第1項においては、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と規定されており、これは、職業選択の自由を保障しているものである。
引用:憲法22条に規定する職業選択の自由について
『何人も、職業選択の自由を有する。』と憲法に記載されています。このような職業選択の自由があるため、客先への転職は可能だと言えるでしょう。
民法 第627条「退職の自由」
民法で「いつでも退職できること」が明記されているため、常駐先への転職は禁止ではありません。
有期雇用契約であれば、民法第267条で、退職の自由が保障されています。
民法 第627条
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:総務省行政管理局-電子政府の総合窓口(e-Gov)
上記のように、民法では解約の申し入れをした2週間後に退職できることが明記されています。
退職の自由が保障されているため、客先への転職の際に、会社側が退職を禁止するのは違法です。民法によって、退職の自由が確実に規定されているため、どの企業への転職も可能となっています。
SESで常駐先に転職する方法
この章では、SESで常駐先に転職する方法を紹介します。
常駐先に転職するためにはどうすればいいのか?その方法について解説します。
- 客先から引き抜きされる
- 転職サイト経由で応募する
- 常駐先に直接応募する
具体的な客先転職の方法を3つ紹介するので、SESエンジニアは参考にしてみて下さい。
客先から引き抜きされる
常駐先に転職したい場合は、客先から引き抜きされましょう。
引き抜きまではいかなくとも、飲み会や雑談のタイミングで「うちに来たら?」と声をかけられるのは珍しくありません。
常駐先で活躍すると引き抜きの話がくる
君はスキルが高くて、仕事もできて良いね。
うちの会社、課長ポジションが空いているんだけどどう?
いい給料用意して待ってるよ。
現場で活躍すれば、客先の社員から、上記のような引き抜き話が貰えることがあります。
ただし誰でも簡単に声を掛けられるわけではありません。現場で活躍したり、リーダーと仲良くなったり、とそれ相応の努力が必要です。
このような引き抜きの話を貰えれば、比較的楽に客先転職できるでしょう。
転職サイト経由で応募する
常駐先に転職したい場合は、転職サイト経由で応募するのもおすすめです。
SESで常駐している現場の中には、人手不足の会社も結構あります。転職サイトで求人を探してみると、エンジニアを募集している常駐先も多いです。
そのため、もし常駐先に転職したいのであれば、転職サイトで求人を探してみて下さい。
転職サイトで常駐先の求人を見つけるコツ
- 複数の転職サイトに登録する
- 求人の多い転職サイトを利用する
- 地域や企業規模などで絞って探す
常駐先が出している求人を見つけるのは難しいため、上記のコツを意識して見て下さい。
常駐先の求人を探しているエンジニアには、求人の多い転職サイトがおすすめ。求人が多いため、自分の行きたい企業の求人が掲載されているでしょう。
常駐先に直接応募する
客先に転職したい場合は、常駐先に直接応募するのも一つの手です。
常駐先の中には、求人を出していない企業も一定数存在します。どれだけ求人を探しても見つからない企業も中にはあるでしょう。
そのような求人が見つからない企業は、常駐先に直接応募して下さい。
- 公式サイトの採用ページから直接応募
- 常駐先の社員に採用の依頼をお願いする
常駐先への応募方法は上記の2つが挙げられます。
会社の公式サイトの採用ページから応募するのが一番無難でおすすめです。
SESで常駐先に転職するときの注意点
この章ではSESで常駐先に転職するときの注意点を紹介します。
転職時にトラブルにならないために、意識しておいて欲しいことを解説します。
- 客先には一人で常駐する
- 同じ社内のエンジニアには転職先を伝えない
- 失敗した時に備え、他の転職先も探す
- 当り障りない退職理由を考えておく
SES企業とのトラブルを避けたいエンジニアは参考にしてください。
『客先常駐から社内SEに転職した体験談』も紹介中。
合わせて参考にしてみて下さい。
客先には一人で常駐する
常駐先への転職を目指す場合は、客先には一人で常駐するようにしましょう。
同じ会社のメンバーが常駐先にいると、客先に転職したことがバレやすいです。周りのメンバーとのトラブルに繋がるため、なるべく一人常駐のときに、客先転職して下さい。
他にも下記のような問題が発生する可能性があります。
- 所属企業と常駐先でトラブルになる
- 転職がバレやすい
- 常駐先の会社が採用しづらい
複数人メンバーがいる状態での客先転職は、バレやすくトラブルが発生しやすいです。
もし同じ会社のメンバーがいるなら、プロジェクトが終わってから応募するようにして下さい。
同じ社内のエンジニアには転職先を伝えない
常駐先へ転職するときは、同じ社内のエンジニアには転職先を伝えないようにして下さい。
客先への転職は法律上可能ですが、タブーであることには変わりありません。周りのエンジニアに伝えると、トラブルや仲たがいの原因になりやすいです。
常駐先転職は周りのエンジニアから白い目見られる
客先への転職を伝えたら嫌われた。
無視されるようになった。
会社のエンジニアとトラブルになる可能性があります。
最悪の場合、会社間のトラブルに発展することも。
トラブルの火種を少しでも減らすために、同じ会社のエンジニアには、常駐先への転職を伝えないようにして下さい。
失敗した時に備え、他の転職先も探す
常駐先転職をしたい場合は、失敗した時に備え、他の転職先も探すようにしましょう。
常駐先への転職は、引き抜きの話が合ったとしても、面接で落とされることがあります。100%転職が成功するわけではないため、客先以外にも企業に応募し、転職先を探しておきましょう。
もし会社を辞め、客先に転職できなかった場合、路頭に迷うことになります。
そのような大きな失敗を避けるため、他の転職先も探しておきましょう。
下記、SESから転職するエンジニアにおすすめの自社開発・社内SE特化の転職サイトです。興味があるエンジニアは利用してみて下さい。
当り障りない退職理由を考えておく
常駐先へ転職する際は、当り障りない退職理由を考えておきましょう。
上司に退職を伝える際は、「客先に転職する」ことを伝えない方が良いです。トラブルのもとになりますし、周りの社員に知られると、冷たい視線を浴びることになるためです。
なるべく、SES企業側と波風を立てないように、当たり障りのない退職理由を考えておくのがおすすめです。
当り障りない退職理由
- 実家の家業を継ぐことになった。
- 引っ越しに伴い通勤が難しくなった。
- 年収が低く家族を養うのが難しい。
- 自分のスキルを高められる企業に転職したい。
上記のようなトラブルにならない転職理由を考えておきましょう。
もし仮に客先への転職がバレたら、その時に常駐先に転職したことを伝えればOKです。
それで訴えられたとしても、憲法で職業選択の自由が規定されているため、問題ないでしょう。
客先から引き抜きの話を受けたらどうすればいいか
最後に、客先から引き抜きの話を受けたらどうすればいいか?について解説します。
実際に常駐先の上司から、「うちの会社にこない?」と誘われた時の対処法をご紹介します。
- まずは結論を出さずに保留する
- プロジェクトの契約書を確認し、転籍事由をチェック
- 転籍が禁止されていない場合は、常駐先と転職の流れを打ち合わせ
- 打ち合わせに沿って転職活動する
客先から引き抜きの話を貰ったSESエンジニアは参考にしてみて下さい。
「SESから脱出する方法」
についても解説しています。
合わせてどうぞ。
まずは結論を出さずに保留する
客先から引き抜きの話を受けたら、まずは結論を出さずに保留するようにして下さい。
じっくり検討し、焦らないためです。
まずは引き抜きを保留する
興味深いお話ありがとうございます。
一度御社への転職を検討したいと存じます。
1週間ほど結論を保留しても構いませんでしょうか?
就業規則や契約書を確認するために、引き抜きの話はいったん保留しましょう。
保留の目安は1週間~1ヶ月くらいが、客先に迷惑を掛けず良いでしょう。
プロジェクトの契約書を確認し、転籍事由をチェック
引き抜きの話を保留したら、プロジェクト契約書を確認し、常駐先への転職が可能かどうかチェックしましょう。
プロジェクト契約書や会社の労働契約書などを見て、客先転職が可能かどうか確認しておくことが大切です。
客先転職前にチェックする資料
- 労働契約書
- プロジェクトの契約書・誓約書
- 就業規則
法律で職業選択の自由が明記されていますが、とはいえ、契約書を違反するとトラブルになりやすいです。引き抜きの話を受ける前に、上記の資料を確認しておいて下さい。
事前に契約を知っておくことで、損害賠償などのトラブルを避けやすくなるはずです。
転籍が禁止されていない場合は、常駐先と転職の流れを打ち合わせ
プロジェクト契約書や就業規則を確認し、転籍が禁止されていない場合は客先転職が可能です。
引き抜きの話をくれた常駐先の社員と相談し、転職の流れを打ち合わせして下さい。
客先転職の打ち合わせは、下記のことを確認しておくと良いでしょう。
しっかり常駐先の社員と話を合わせ、転職までの手順を確認しておくと上手くいきやすいです。
転職後のポジションや年収も確認しておくと、入社後のミスマッチも少なくなるでしょう。
打ち合わせに沿って転職活動する
常駐先への転職の流れが決まったら、後は打ち合わせに沿って転職活動するだけです。
面接や筆記試験など、選考があれば、しっかりとその選考を受けて下さい。もし面接など、選考がある場合は、不採用になることも稀にあります。
客先転職に失敗することも考慮し、別企業の転職先を探しておくのも大切です。転職サイトなどから他の企業の求人に応募しておいて下さい。
まとめ:SESで常駐先に転職する方法|引き抜きを受けた時の対処法
以上で、「SESで常駐先に転職する方法|引き抜きを受けた時の対処法」の解説を終了します。
下記この記事のまとめです。
SESで常駐先に転職する方法は下記の通りです。
- 客先から引き抜きされる
- 転職サイト経由で応募する
- 常駐先に直接応募する
自分にあった転職方法があれば、参考にしてみて下さい。
SESを避けたいエンジニアには、自社開発・社内SE特化の転職サイトがおすすめです。SESや派遣企業の求人が排除されているから、確実に回避できるでしょう。
SESで働いた経験から
「SESを1年で辞めるのは大丈夫なのか?」
についても解説しています。
SESから転職したいエンジニアは、参考にしてみて下さい。