この記事では、SESで上流工程は難しいのか?について解説します。
SES企業で働くエンジニアの中には

SESで下流工程の仕事ばかりしている。
SESから上流工程にステップアップできる?
上流に上がる方法を知りたい。
と悩んでいる人も多いはず。
そこでこの記事では、SESの上流工程が難しい理由や上流工程に行く方法を紹介します。
この記事を読めば下記内容が分かります。
この記事を読み、SESで上流工程に上がる方法を知り、SESから上流にステップアップしましょう。





SESで働いていた筆者が紹介。
客先常駐の実体験をもとに解説します。
SESを辞めたいエンジニアには、自社開発・社内SE特化の就職サイトがおすすめ。SES企業の求人が排除されているから、確実にSESから転職できるでしょう。
SESにおける上流工程とは?


この章では、SESにおける上流工程とは?について解説します。
- 要件定義
- 基本設計
- 下流工程
- 一般的には3~5年で上流工程に携われる(SESは難しい)
上流工程の業務を知りたい方は参考にしてください。
要件定義
要件定義とは、クライアントの要望を踏まえ、どのような手順でシステムを構築していくべきかをまとめていく作業のこと。上流工程で一番初めに行う作業となります。
スコープの特定やスケジュール作成、納品物の大枠などを定義していきます。
- 顧客の要望・課題のヒアリング
- システムに必要な機能や要件を明確化
- スケジュール作成(WBS)
- スコープの特定
要件定義は、プロジェクト全体の方向性を決定し、プロジェクトの成否を握る鍵。上流工程で最も重要な作業と言えます。
基本設計
基本設計とは、要件定義の内容をもとに、システムの全体的な設計を行う作業のことです。
この段階で、システムの主要な機能、性能のバランスや将来の拡張性も考慮・検討されます。具体的には下記のような内容になります。
概要 | 設計書の内容 |
---|---|
システム設計 | ハードウェア・ソフトウェア・ネットワーク構成図など |
画面設計 | 画面一覧、レイアウト・遷移図、入出力項目、アクション定義図など |
バッチ設計 | バッチ処理一覧、処理フロー図など |
データベース設計 | テーブル・ファイル一覧、ER図、テーブル・ファイル定義 |
ファイル設計 | ファイル一覧、レイアウト図など |
外部インターフェース設計 | 外部インターフェース一覧、レイアウト図など |
SESエンジニアは、技術的な選定とシステム構造の策定に重点を置き、実現可能な設計を目指します。
基本設計の項目は多岐に渡るため、スキルもそれぞれで必要となります。
下流工程
上流工程で決められた仕様を実際に言語を使って開発・製造を行う作業が、下流工程です。
具体的に言うと、コーディングした後、正常に動くようにテストを行い運用する行程になります。下記のような作業が挙げられます。
- コーディング
- テスト(単体、結合、要件テスト)
- デバッグ
- 運用・保守
上流工程における設計精度が直接影響するため、非常に重要な工程です。
SESや客先常駐エンジニアは、下請けの案件が多く、下流工程の業務に携わることがほとんどです。
一般的には3~5年で上流工程に携われる(SESでは難しい)
一般的なIT企業やSIerであれば、3~5年で上流工程に携われます。
しかしSESや下請けITで働くと、上流に携わるまでにもっと時間が掛かります。
理由は口述しますが、ここではSESでは上流工程に携わるのが難しい。と言うことを押さえておいてください。
SESで上流工程を経験するのが難しい理由


この章では、SESで上流工程を経験するのが難しい理由を解説します。
なぜSESで上流工程が難しいのか?設計しにくい理由は何か?をSESで働いた実体験から紹介します。
- ビジネスモデルの影響
- クライアント(常駐先)側の意向
- 契約形態の制約
- 上流工程を任せられる人材の流出
SESや客先常駐の実態を知りたい方は参考にしてください。
ビジネスモデルの影響
SES企業の多くは、エンジニアのアサイン(派遣)によって利益を得るビジネスモデル。SESエンジニアは、基本的には常駐先で働くため、上流工程の案件が少なくなりやすいです。


IT業界の構造上、元請け企業が要件定義を担当し、SES企業がコーディングやバグ修正を担当します。
- 上流工程はクライアント企業の正社員やSIer(元請け企業)が担当
- クライアントはSESに上流工程を任せることを望まない
- 外部の人間に設計を任せられない
SESエンジニアは、クライアントからすると「外部の人間」です。影響範囲の大きい、上流工程の仕事を任せにくいという事情があるのです。
クライアント(常駐先)側の意向
SESで上流工程を経験するのが難しい理由に、クライアント(常駐先)側の意向も挙げられます。
クライアント(発注元)は、上流工程を担当するエンジニアに対して、以下のような要件を求めることが多いです。
- 事業理解・業務知識の深さ
- 長期的な関係
- 顧客との折衝、クライアントからの信頼
SESエンジニアは、流動的な立ち回りが多く、現場がコロコロ変わります。
SESでは、クライアントが求める「長期的な関係」を築きにくいため、上流工程を任せらせません。
SESは プロジェクト単位で契約が変わることが多く、特定の企業で長期的に関与することが難しいです。そのため上流工程を任せてもらえないケースが多いです。
契約形態の制約
SESで上流工程の案件が少ない理由として、契約形態の問題も挙げられます。
SESの契約形態は「準委任契約」が一般的であり、これは「労働時間に対して報酬を支払う」形態です。
SES契約は、成果物の納品が目的ではなく、労働力を提供するだけ。成果物の責任がないため、責任範囲の幅が狭く、上流工程の業務を任されにくいです。
クライアントはSESエンジニアを「特定の作業リソース」として活用することが多く、全体の設計や要件定義に関わらせません。
結果として、客先常駐で上流工程に携わることが難しくなります。
上流工程を任せられる人材の流出
SESでは上流工程を任せられる人材が流出しやすいです。これもSESで上流工程を経験できない要因です。
上流工程ができるレベルのエンジニアは、市場価値が高いです。そのため年収の高い自社開発企業やフリーランスへ転職する傾向にあります。
- SESは年収が低く、自社開発や社内SEに転職してしまう
- 上流工程をしやすいSIerに転身しがち
SES企業内に「上流工程を任せられる人材」が減り、クライアントもSESに上流工程を依頼しにくくなります。
「SESでエンジニア育成 ⇒ 条件の良い企業に転職 ⇒ SESのスキルレベルが落ちる ⇒ SESに上流案件が回らない」という負のループに陥るため、SESでの上流工程は難しいです。
SESから上流工程にステップアップする方法


この章では、SESから上流工程にステップアップする方法について解説します。
- 長期案件を狙う
- 上司や営業に案件変更を依頼する
- 上流工程に活かせるスキルを身に付ける
- 自社開発企業に転職する
- SIerやITコンサル企業への転職もおすすめ
SESで上流工程を目指しているエンジニアは参考にしてください。



実際に客先常駐の現場で働いた経験から、
上流に携わる方法を解説します。
長期案件を狙う
SESで上流工程の仕事に携わりたいエンジニアは、なるべく長期案件を狙いましょう。
長期案件であれば、要件定義や設計フェーズの期間が長く、客先常駐でも上流工程に携わりやすいです。
長期案件のメリット
長期的に案件に携わり、信頼を得られれば、継続的に上流工程の案件を任されやすいです。
上流工程をやりたいSESエンジニアは、下流工程の短期案件ではなく、なるべく長期的な案件に参画するようにして下さい。
上司や営業に案件変更を依頼する
SESから上流工程に携わりたいときは、上司や営業に案件変更を依頼するのもおすすめです。



下流工程のスキルは身に付いたので、上流案件に携わりたいです。
案件変更させてもらえないでしょうか?
上記のように直属の上司に、案件の変更の相談をしてみて下さい。
もし上司が理解のある部下思いの人であれば、案件変更を前向きに検討してくれるはずです。常駐先と交渉して、上流工程の案件に配属してくれるでしょう。
もし現場変更できないのであれば、転職を検討して下さい。「上司に案件変更を打診 ⇒ ダメなら転職を検討」のような流れで、現場変更を検討するのがベターです。
上流工程に活かせるスキルを身に付ける
SESから上流工程に上がりたいエンジニアは、上流に活かせるスキルを身に付けましょう。
上流向けのスキルを身に付けるのが、上流にステップアップする一番の近道です。スキルを身に付ければ、その案件にアサインされやすくなり、契約が成立しやすいためです。
上流工程に携わりたいのであれば、上流に活かせるスキルを身に付けて下さい。
そうすれば、履歴書や職務経歴書が充実し、上流案件に受かりやすくなるはずです。
自社開発企業に転職する
SESから上流工程に上がりたいエンジニアは、自社開発企業に転職するのも一つの手です。
自社開発企業は、自社サービスを販売するIT企業です。顧客と打ち合わせする機会が多く、要件定義や設計など、上流業務に携わりやすいです。
- 自社サービスの立ち上げから開発まで、上流下流幅広く経験できる
- 元請け、1次請けの案件が豊富
- 客先常駐などの下請け案件がない
自社開発企業は、設計の上流から、開発の下流まで、幅広く経験を積むことができます。
SESからの転職に人気な職種なので、ぜひ転職を検討してみて下さい。
SESから上流に上がりたいエンジニアは、自社開発特化の転職サイトがおすすめです。SES企業の求人が排除されているため、確実にSESから転職できるでしょう。
SIerやITコンサル企業への転職もおすすめ
上流工程に携わりたいSESエンジニアは、SIerやITコンサル企業への転職もおすすめです。
SIerやITコンサルは、元請け企業が多く、上流工程の業務がメインです。そのため上流をやりたいエンジニアにはピッタリでしょう。
- 上流の最先端で活躍できる
- 年収1000万円も目指せる
- 企業のIT戦略やIT経営に携われる
ITコンサルはシステム開発の最上流で携われ、やりがいを持って働けます。
一方でITコンサルは上流メインになり、開発やコーディングの機会が減るため注意して下さい。
SESから上流に上がりたいエンジニアは、ITコンサル特化の転職サイトがおすすめです。SIerや大手コンサルの求人が豊富で、多くの求人に応募できるでしょう。
上流工程を担うSESエンジニアに必要なスキル


この章では、上流工程を担うSESエンジニアに必要なスキルをご紹介します。
- プロジェクトマネジメントスキル
- ドキュメント作成スキル
- ビジネススキル(ITコンサル的視点)
上流工程にステップアップしたいSESエンジニアは参考にしてください。
プロジェクトマネジメントスキル
上流工程では、プロジェクトを推進する能力が問われます。
そのため、プロジェクトマネジメントや組織管理、メンバー管理のスキルが求められます。
- WBS(Work Breakdown Structure)の作成
タスクを細分化し、スケジュールを管理できる能力 - コスト・工数見積もり
ファンクションポイント法、COCOMOなどの見積もり手法を学ぶ - ステークホルダーマネジメント
クライアント、開発チーム、経営層との調整力
上流工程を担うエンジニアには、上記のようなマネジメントスキルが求められます。
もしSESから上流工程にステップアップしたいのであれば、プロジェクトマネジメントスキルを磨くようにして下さい。
ドキュメント作成スキル
SESから上流工程にステップアップするのであれば、ドキュメント作成スキルも必要です。
上流工程では、プレゼンや資料作成の機会が増えます。顧客とのやり取りで分かりやすい資料を作る技術が求められるでしょう。
- 要件定義書、設計書、テスト仕様書のフォーマット作成
- PREP法を意識したプロジェクト資料作成
- プレゼンや説明用の資料作成
下流工程のエンジニアは、上流工程で作成された設計書やテスト仕様書をもとに、開発を行います。分かりやすい資料を作成しないと、認識の齟齬が生じ、バグやシステムエラーの原因になります。
上流工程のエンジニアには、ドキュメント作成の技術がかなり要求されます。プロジェクトを成功に導くためにも、分かりやすく綺麗な資料作成ができるようにして下さい。
ビジネススキル(ITコンサル的視点)
SESエンジニアが上流に進むには、技術+ビジネス視点が重要です。
上流工程の業務は、ビジネス視点での問題解決も求められます。ビジネス視点でクライアントの課題を見つけ、それを解決するための提案力が必要になります。
- 金融・製造・流通などの業界ごとのシステム知識
- クラウド、AI、IoTなどの最新技術を活用した提案力
- 売上、財務諸表を読み取る力
上流工程では、設計スキルだけでなく、コンサル的な知識も求められます。
日々のニュースをしっかりインプットし、IT業界の動向を押さえておくことも大切です。
客先常駐で上流工程をするためのおすすめのIT資格


この章では、客先常駐で上流工程をするためのおすすめのIT資格をご紹介します。
- 応用情報技術者試験(AP)
- PMP(Project Management Professional)
- プロジェクトマネージャ試験(PM)
SESから上流工程にステップアップしたいエンジニアは参考にしてください。



実際に客先常駐をやった経験から、
向き不向きを解説します。
応用情報技術者試験(AP)
SESから上流工程の仕事をしたいのであれば、必要最低限、応用情報の資格を取っておきましょう。
応用情報技術者試験 (応用情報)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験。IT業界で働くために必要な、基礎知識や技能を証明する資格です。
- IT業界の知識が一通り学べる
- 国家試験のため信用度が高い
- エンジニアとしてのスキルを証明できる
上流にステップアップしたいSESエンジニアは、最低限、応用情報は取得しておきましょう。
応用情報がないと、リーダーや管理職になれないIT企業もあるので、取っておいて損はないはずです。
PMP(Project Management Professional)
PMPはPMI(Project Management Institute)による国際的なプロジェクト管理資格です。
PMPは世界的に認知されている資格で、外資系企業やグローバル企業ではプロジェクトマネージャーの必須資格としているところもあります。特にIT業界や製造業のプロジェクト管理において、高く評価されます。
- キャリアアップ・転職に有利
- プロジェクト管理スキルの体系的な習得
- 収入の向上
上流工程ではプロジェクトマネジメントのスキルが問われるため、PMPを取得しておけば安心です。
PMPを持っておけば、上流工程のリーダー的な役割を担いやすくなるはずです。
プロジェクトマネージャ試験(PM)
SESで上流工程をしたいのであれば、プロジェクトマネージャー試験がおすすめです。
プロジェクトマネージャ試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験。システム開発のプロジェクトマネジメントスキルを証明する資格です。
プロジェクトマネージャ試験を取得していれば、リーダーとしてSES案件に参画しやすくなります。
- リーダー案件に参加しやすくなる
- リーダーとして上流から下流まで、長期で携わりやすい
- 持っているだけで転職や案件獲得が有利になる
将来的にリーダーとして活躍したいのであれば、必須のIT資格となります。
プロジェクトリーダーになれれば、自ずと上流工程の業務に携われるでしょう。
まとめ:SESで上流工程は難しい?客先常駐から上流にステップアップする方法


以上で、「SESで上流工程は難しい?客先常駐から上流にステップアップする方法」の解説を終了します。
下記この記事のまとめです。
SESで上流工程を経験するのが難しい理由は下記の通りです。
- ビジネスモデルの影響
- クライアント(常駐先)側の意向
- 契約形態の制約
- 上流工程を任せられる人材の流出
SESや客先常駐は、ビジネスの構造上、下流工程になりやすいです。
そのため上流工程に携わりたいエンジニアは、自社開発やITコンサルなどに転職するようにして下さい。
自社開発に転職したいSESエンジニアには、自社開発特化の転職サイトがおすすめです。SESの求人が排除されているため、確実に自社開発に転職できるでしょう。
また上流工程に携わりたいエンジニアには、SIerや大手IT企業もおすすめです。興味がある方は、下記の転職サイトを参考にしてください。



SEから転職した経験談をブログ記事に掲載しています。
合わせて参考にして下さい。
SESから転職したいエンジニアは、参考にしてみて下さい

