SES(客先常駐)はプロジェクト途中でも退職可能!契約途中で辞めるのは無責任なのか?

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この記事では、SESのプロジェクト途中でも退職可能な理由について解説します。

SES企業で働くエンジニアの中に

SESエンジニア

プロジェクトの途中だけど退職したい。
SES契約の途中で辞めることはできるの?
途中退職は無責任なのかな?

と悩んでいる人も多いはず。

そこでこの記事では、プロジェクト途中でも退職可能な理由退職するときの注意点を解説します。

この記事を読めば下記内容が分かります。

この記事を読んで、SESで途中退職が可能な理由を知り、SESからの転職を検討しましょう

【本記事の目標】途中退職が可能な理由を知り、SESからの転職を検討する
筆者

SESから社内SEに転職した筆者が紹介。
SESを辞めた実体験をもとに解説します。

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SES(客先常駐)のプロジェクト途中でも辞められる理由

この章ではSES(客先常駐)のプロジェクト途中でも辞められる理由を紹介します。

今回紹介するのは下記の3つ。

  • 職業選択の自由が「法律」で保障されている
  • 退職の自由が民法で規定されている
  • SES契約が影響するのは企業間だけ

法律や民法、契約の面から、途中退職が問題ないことを解説します。

筆者

SESで退職を引き止められた時の対処法
も合わせて解説しています。

職業選択の自由が「法律」で保障されている

憲法の「職業選択の自由」で、職業の自由が保障されているため、SESプロジェクトの途中でも退職可能です。

実際に憲法第22条で、自己の従事する職業を決定する自由を労働者が保有していることが規定されています。

憲法22条に規定する職業選択の自由について

日本国憲法(昭和21年憲法)第22条第1項においては、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と規定されており、これは、職業選択の自由を保障しているものである。

引用憲法22条に規定する職業選択の自由について

『何人も、職業選択の自由を有する。』と憲法に記載されています。

労働者には職業選択の権利があるため、会社はプロジェクトの都合で退職を拒否できません

労働者は憲法で保護されているため、プロジェクト途中でも退職は可能と言えます。

退職の自由が民法で規定されている

民法で「雇用解約申し入れ」の規定がなされているため、SESプロジェクトの途中でも退職可能です。

民法第267条で、有期雇用契約の退職自由が保障されています。

民法 第627条

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用:総務省行政管理局-電子政府の総合窓口(e-Gov)

民法では「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」ことが明記されています。

労働者から退職の申し込みがあれば、会社側はどんな事情があれ、2週間後に退職を受理しなければなりません。

雇用の申し入れは2週間と民法で定められているため、プロジェクト途中であってもSESを退職できます。

SES契約が影響するのは企業間だけ

SESの契約期間中に退職すると、派遣先の企業から損害賠償を求められるケースがあります。ですが、SESで働くエンジニアには賠償責任がありません。

SES契約は、派遣先の企業と自社の間で結ぶものだからです。

実害が出た企業から損害賠償を求められる可能性も考えられます。しかしSESエンジニアと派遣先の企業の間には何の契約も結ばれていないため、エンジニア側に法律上の過失はないのです。

またSES契約は、労働力を提供するビジネス形態のため、成果物の納品に対しての責任を負いません。

SES契約ではエンジニア自身に責任が発生しないため、プロジェクト途中であっても退職可能です。もし損害賠償を訴えられることがあれば、十分勝つことが可能です。

SESをプロジェクト途中で退職する時の注意点

この章では、SESをプロジェクト途中で退職する時の注意点を紹介します。

途中退職でトラブルや損をしないために、事前にしておくべきことを解説します。

  • 1ヶ月以上前に辞める意思を伝えておく
  • 転職先は見つけておく
  • 引継ぎや後任育成はしっかり行う
  • 労働契約書を確認し、有給や退職金について調べる

失敗せずにSESから退職したいエンジニアは参考にしてみて下さい。

1ヶ月以上前に辞める意思を伝えておく

SESプロジェクトを途中で退職する場合は、1ヶ月以上前に辞める意思を伝えておきましょう

SES契約の途中で退職できますが、少なからずプロジェクトに影響が出るのは確か。メンバーが途中で抜ける時は、要因調達や育成が必要になるからです。

なるべく常駐先と会社に迷惑を掛けないために、1ヶ月以上前に退職の旨を上司に伝えておきましょう。

伝えるタイミング:1~3ヶ月前
伝える相手:自社の上司
準備物:退職願

1ヶ月以上前に退職を伝えれば、代わりの人材に仕事の引継ぎができます。

最低限1ヶ月以上前に、プロジェクトメンバーに退職の意思を伝えておきましょう

転職先は見つけておく

SES企業を退職する前に、必ず次の転職先は見つけて置いて下さい

転職先が見つかる前に、会社を辞めると、路頭に迷う可能性があります。転職先が決まらず、貯金が底をつき、ホームレスになるリスクがあるため、必ず転職先を見つけておきましょう。

退職前に転職サイトなどから求人を探し、転職活動を始めておくと良いですね。

SESから転職したいエンジニアには、自社開発・社内SE特化の転職サイトがおすすめ。SES企業の求人が排除されているから、確実にSESから脱出できおすすめです。

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引継ぎや後任育成はしっかり行う

プロジェクト業務の引き継ぎ後任育成はしっかり行いましょう

当たり前の話ですが、プロジェクトを途中で辞める場合は、業務の引き継ぎが大切です。自分しか分からない業務、属人化している仕事などはしっかり引継ぎしましょう。

  • 定例業務のマニュアル化
  • プログラムコードのコメント追記
  • 書類の電子化
  • 共有ファイルへの連携

など自分の業務を共有しておいて下さい。

後任を育成し、自分が辞めても問題ないよう調整すれば、途中で辞めるのは問題ないです。

労働契約書を確認し、有給や退職金について調べる

SES企業の退職を伝える前に、労働契約書を確認し、有給や退職金について調べておきましょう

退職金や有給消化などは、きちんと調べておかないと損をします。会社ごとにその扱いは大きく異なるため、労働契約書ポータルサイトなどをしっかり確認しておきましょう。

退職前の確認事項

  • 退職金の有無
  • 有給休暇の消化方法
  • 福利厚生
  • 退職の提出物
  • 退職スケジュール

労働契約書を見ると、自分が知らなかったお得な制度もチェックできます。

退職金や給料などで損をしないために、契約書やポータルサイトなどを確認しておいて下さい。

SESのプロジェクト途中で退職するのは無責任という風潮について

この章では、プロジェクト途中で退職するのは無責任という風潮についてお話します。

IT業界では「プロジェクトの途中で退職するのは無責任だ」という論調がありますが、筆者はそうは思いません。プロジェクト途中で退職するのは労働者が持つ当たり前の権利です。

ここでは、契約途中の退職が無責任ではないという話を紹介します。

  • プロジェクト途中で辞めても無責任ではない
  • 労働者には仕事を選ぶ権利がある

プロジェクト途中での退職が不安な人は参考にしてみて下さい。

筆者

客先常駐を1週間で辞めるのはありなのか?
という話も紹介しています。

プロジェクト途中で辞めても無責任ではない

SESのプロジェクト途中で辞めても無責任ではありません。

SES契約は、労働力を提供するビジネス形態のため、成果物の納品に対しての責任ありません。SESエンジニアは成果物に対する責任がないため、責任を求めること自体がおかしいです。

そもそもエンジニアが一人辞めただけでプロジェクトは破綻しません

もしあなたが途中で辞めて、そのプロジェクトが崩壊したのであれば、プロジェクトマネジメントが問題。責められるべきはプロジェクトマネージャーやリーダーです。

SESエンジニア個人に責任を求められることは無いため、安心して途中退職しても良いでしょう。

労働者には仕事を選ぶ権利がある

労働者には仕事を選ぶ権利があります。SESプロジェクトの途中で辞めても無責任ではありません。

日本の労働者は、日本国憲法や民法で「職業選択の自由」の保持を認められています。仮にプロジェクト途中での退職を無責任と言う人がいれば、その人は労働者の権利を侵害したことになります。

退職が無責任だと言う人は、憲法や民法の考えに反しているため、その人こそが無責任です。

憲法や民法の理念に即して、SESを辞めたい時は辞めても良いと思います。

>>>憲法22条に規定する職業選択の自由について

>>>民法第627条 雇用解約申し入れについて

SESの契約途中で辞めて損害賠償になるケースまとめ

この章ではSESの契約途中で辞めて損害賠償になるケースまとめを紹介します。

  • 何も言わず急にバックレる
  • 常駐先に引き抜きで転職する
  • 取引先に重大な損失を与える

SESでの退職トラブルを避けたいエンジニアは参考にしてみて下さい。

筆者

SESをスキル不足で辞めたい時の対処法
も紹介しています。

何も言わず急にバックレる

当たり前の話ですが、プロジェクト途中で急にバックレると、トラブルになる可能性が高いです。

急に会社を辞めると、上司や常駐先から鬼のように電話が届き、上司が家に来ることもあります。

最悪の場合、訴えられることもあるため、バックレだけは辞めておきましょう。

プロジェクト途中でどうしてもバックレたい時は、退職代行などの仲介業者を利用しましょう。トラブルが怖いエンジニアは、弁護士や労働組合がバックに付いている退職代行もおすすめです。

トラブルを避けてバックレたいエンジニアは、弁護士付きの退職代行を利用するようにして下さい。

弁護士・労働組合つきの退職代行
  • 退職代行ガーディアン
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    東京都労働委員会認証の退職代行。料金24,800円。トラブル時は無料で労働組合法人が対応してくれる。
  • 退職110番
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    弁護士対応だから、確実に辞められる。損害賠償請求などのトラブルでも安心。

常駐先に引き抜きで転職する

今の常駐先に引き抜きで転職した場合は、損害賠償トラブルになる可能性が高いです。

SESでは常駐先の社員から引き抜きの話を貰うことがあります。もしプロジェクト途中で、引き抜きの誘いに乗り転職すると、トラブルになるケースがあります。

プロジェクト途中の引き抜き転職がトラブルになる理由

  • SES契約で転籍禁止が定められている
  • 機密契約違反になる可能性がある
  • 会社の労働契約違反になる場合がある

プロジェクト途中での引き抜き転職は、トラブルになるため辞めておいた方が良いでしょう。

もし引き抜きで転職する場合は、プロジェクトが終わるのを待ち、終了後に転職サイトを通じて、転職するのが良いです。そうすればトラブルなく、常駐先に転職できるでしょう。

取引先に重大な損失を与える

取引先に重大な損失を与えた場合、損害賠償を訴えられる可能性もあります。

筆者がいたSES企業では、損害賠償請求はありませんでしたが、他の会社の事例ではあるようです。

取引先への重大な損失

取引先

弊社のエンジニアが設計したシステムで個人情報が流出した。
君が制作したシステムで事故が発生した。

上記のように退職時に、賠償金を請求されることがあるようです。

ただ損害を与えて、賠償金を請求されても、それに応じる必要はありません

SES契約はあくまで、取引先企業とSES企業で交わされています。エンジニア個人と契約している訳ではないため、損害賠償を支払う義務はありません。

SESの安全な退職方法

この章では、SESの安全な退職方法を紹介します。

プロジェクト途中や契約途中でも、波風立てずに辞める手順を解説します。

  • 退職の意思を伝える(退職願などを用意)
  • 退職日を決定する
  • 後任者へ仕事の引継ぎを行う
  • 残業や休暇などの精算をする
  • 退職手続きを行う

トラブルなく退職したいエンジニアは参考にして下さい。

退職の意思を伝える(退職届などを用意)

まず初めに、SES企業に退職する旨を伝えましょう。

退職を伝える際は、なるべくトラブルが発生しないように、会社に配慮して、退職を伝えるのが大切です。

トラブルなく退職するための伝え方は下記の通りです。

  • 退職願いではなく、退職届を用意する
  • 3ヶ月以上前に上司と常駐先社員に伝える
  • 事前に同僚や上司に辞めるかも知れないことを匂わせておく
  • 退職理由は絶対に会社のせいにしない。
  • メールやチャットではなく、直接上司に伝える

退職を伝える時は、上記の点を押さえておきましょう。

契約途中での退職は、予めプロジェクトメンバーに退職を伝えておくと、スムーズに退職を進められます。

退職日を決定する

SES企業に会社を退職する旨を伝えたら、上司と退職日を調整しましょう

自身の業務量に合わせて、仕事を引き継ぐまでにどれくらいの期間が掛かるのか?キリの良い退職日はいつか?を上司と相談し、具体的な退職日を決めて下さい。

プロジェクト途中での退職だと、早くて3か月前、遅くとも1ヶ月前に退職を伝えます。そして余裕をもって、具体的な退職日を決めるのが良いでしょう。

後任者へ仕事の引継ぎを行う

引継ぎ漏れがあると、退職後に取引先企業とトラブルになる場合があります。

そのためしっかりと後任や後輩に、仕事の引継ぎを行うようにして下さい。

特にプロジェクト先に常駐しているエンジニアは、取引先との今後の関係も考え、しっかりと業務を引き継ぎするのが大切です。

SES退職時の引継ぎ

  • 常駐先の業務の引き継ぎ
  • 自社業務の引き継ぎ
  • 後任の調達、後任の紹介

SES企業では、常駐先と自社での業務、2つを後任に引き継がなければなりません。客先常駐では引継ぎ漏れが発生しやすいため、引継ぎは丁寧に行ってください。

プロジェクト途中での退職は、数ヶ月以上の余裕をもって引き継ぐと、トラブルなく退職できるでしょう。

残業や有給休暇などの精算をする

退職日が決まったら、退職の準備と並行して、有給休暇の消化残業代の清算を行いましょう

会社を辞める場合は、残業代や有給分の給料が支払われないケースが結構あります。有耶無耶になって損するケースも多いため、給料清算はより注意深く確認しましょう。

もし退職後に振り込まれた給料の額がおかしいな?と感じたら、会社の経理部に問い合わせるのがおすすめです。

筆者も退職後に振り込まれた給料の家賃補助が抜かれていた、という事件がありました。

退職後は、給料の確認を曖昧にしがちなので、損しないためにお金はしっかり請求するようにしましょう。

退職手続きを行う

具体的な退職日が決まったら、順次退職手続きを行いましょう

会社から退職に必要な書類や手続きを指示されるため、その指示に合わせて準備を進めておいて下さい。

退職手続き

  • 退職願の提出
  • 退職後の連絡先住所の連携
  • 源泉徴収票の獲得
  • 雇用保険被保険者の獲得
  • 会社から要請される書類の提出

退職が決定したら、会社の人事総務部や上司から指示があるため、その指示に従って書類を準備しておきましょう。プロジェクトへの貸与物の返却も合わせて行います。

それと並行してお世話になったプロジェクトメンバーなどに感謝を伝えるようにして下さい。

まとめ:SESはプロジェクト途中でも退職可能|契約途中で辞める注意点

以上で、「SESはプロジェクト途中でも退職可能|契約途中で辞める注意点」の解説を終了します。

下記この記事のまとめです。

SESのプロジェクト途中で退職が可能な理由は下記の通りです。

  • 職業選択の自由が「法律」で保障されている
  • 退職の自由が民法で規定されている
  • SES契約が影響するのは企業間だけ

日本憲法で『職業選択の自由』、民法で『退職の自由』が規定されているため、プロジェクト途中であっても退職は可能です。またSES契約は企業間で行われており、エンジニア個人と契約していないため、トラブルも発生しません。

訴えられることなく退職できるため、プロジェクト途中であっても心配せずに、会社を辞めて下さい。

またSESを辞めたいエンジニアには、自社開発・社内SE特化の転職サイトがおすすめです。SES企業の求人が排除されているから、確実にSESから脱出できおすすめです。

筆者

SESから社内SEに転職した経験から、
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