この記事ではSES(客先常駐)と自社開発はどっちがいいのか?を解説します。
IT業界を目指す求職者の中には、
客先常駐と自社開発ってどっちがいいの?
SESと自社開発の違いを知りたい。
メリットとデメリットを教えて欲しい。
と気になっている人も多いはず。
そこでこの記事では、SES(客先常駐)と自社開発はどっちがいいのか?を紹介します。
この記事を読めば下記内容が分かります。
この記事を読み、SESと自社開発、それぞれの違いを知り、どっちに就職するか決めましょう。
SESから転職した筆者が紹介。
SESで働いた実体験をもとに解説します。
自社開発に転職したいエンジニアには、自社開発特化の転職サイトがおすすめ。SES企業の求人が排除されているから、確実にSESから脱出できおすすめです。
SESと自社開発の違い
この章ではSESと自社開発の違いをご紹介します。
IT業界を志望する人の中には、「SESと自社開発の違いが分からない」人も一定数いるはず。それぞれの働き方の違いを知りたい方も多いでしょう。
そこでここでは、SESと自社開発のざっくりとした違いを解説します。
- SESと自社開発の違いまとめ
- ITスキルは、SESは広く浅く、自社開発は狭く深く
- 年収は自社開発エンジニアの方が高い
- SESの方が転職は簡単
SESと自社開発どっちが良いか判断したい方は、参考にしてみて下さい。
SESから自社開発に転職する方法も紹介しています。
合わせて参考にしてみて下さい。
SESと自社開発の違いまとめ
SESと自社開発の違いをまとめた表が下記の通りです。
SES | 自社開発 | |
---|---|---|
働き方 | 客先常駐 派遣 | 自社開発 |
勤務先 | 取引先の職場 | 自社 |
主な業務 | コーディング テスト | 要件定義 システム設計 コーディング |
主な案件 | プライム案件 2次請け 下請け | 自社サービス プライム案件 1次請け |
身に付くスキル | 幅広いITスキル コミュニケーション能力 プログラミングスキル | 専門的なITスキル 深い業界知識 システム設計スキル |
平均年収 | 約350万円 | 約542万円 |
就職倍率 | 2.16倍 | 9.98倍 |
大きな違いとしては、「SESは取引先に常駐して働く」「自社開発は自分の会社で働く」こと。常駐先で働くか、自分の会社で働くか。の違いがあります。
SESでは取引先に常駐して働く分、コミュニケーション能力や幅広いITスキルが身に付きます。逆に自社開発では自社で働く分、専門的な深いITスキルが身に付きます。
どっちにもメリットがあるため、自分に合った働き方を選ぶようにして下さい。
ITスキルは、SESは広く浅く、自社開発は狭く深く
身に付くITスキルは、SESは広く浅く、社内SEは狭く深くといったイメージです。
SES企業では案件がコロコロ変わり、その度に扱うスキルが変わるため、幅広いITスキルを身に付けられます。
逆に自社開発は客先常駐がなく、一つの職場で働き続けるため、一つのスキルに特化した専門性を高められます。
- SES…現場がコロコロ変わるため、幅広くシステム開発を経験できる。幅広いIT知識が身に付きやすい。
- 自社開発…一つのスキル・業界に特化してシステムを開発する。一つのスキルの専門性が高まりやすい。
SESと自社開発では、働き方の違いから、身に付くスキルに大きな差が出ます。
SESは広く浅く。自社開発は狭く深く。と言う形で、スキルと知識の身に付き方に差が出ます。
個人的には、若手のときはSESでITの知見を広げて、興味のある分野が見つかったら、自社開発で専門性を身に付ける。のが良いキャリアの進め方だと感じています。
年収は自社開発エンジニアの方が高い
SESと自社開発エンジニアの年収を比べると、圧倒的に自社開発エンジニアの方が年収が高いです。
SESと自社開発の年収の違いは下記の通り。
SESと自社開発の年収の比較
- 自社開発の平均年収:約542万円
- SESの平均年収:約350万円
平均年収を比較すると、自社開発の方が192万円も高い年収となっています。
自社開発は1次請け案件が多く、単価を中抜きされていないため、年収が高くなりやすいです。
逆にSESは2次請け、3次請けが多く、下請け案件ばかりなので、年収が低くなりがちです。
SESの方が転職は簡単
SESと自社開発、就職しやすいのは断然SESです。
SESと比べて、自社開発企業の方が、就職は難しいです。自社開発は人気で、競争率が高く、求人掲載がすぐに終わってしまうためです。
自社開発への転職はかなり難しい
- 自社開発エンジニアの就職倍率:9.98倍
- SES企業の求人倍率:2.16倍
自社開発は、スキルの高いエンジニアでないと、内定をGETできないため注意して下さい。
経験の浅いエンジニアや未経験の人は、無謀に自社開発に就職するより、まずはSESに就職するのがおすすめです。
経験を積んだのちに、SESから自社開発にステップアップするのが良いでしょう。
どうしても自社開発で働きたい人には、自社開発特化の転職サイトがおすすめ。SES企業の求人が排除されているから、確実にSESから脱出できおすすめです。
SESと自社開発はどっちがいいのか?
この章では、SESと自社開発はどっちがいいのか?についてお話します。
筆者はSES企業で3年間働いたのちに転職しました。SESと自社開発の両方で、勤務経験があります。
ここではそんなSESと自社開発の勤務経験から、SESと自社開発はどっちがいいのか?を実体験から解説します。
- 向いている方で働くのが一番おすすめ
- 1つのスキルの専門家になりたい人は自社開発
- 幅広いITスキルを身に付けたい人はSES
- 迷う場合は両方できるIT企業に転職する
SESと自社開発、どっちがいいか悩んでいる人は参考にしてみて下さい。
『SESから社内SEに転職した体験談』も書いています。
合わせて参考にしてみて下さい。
向いている方で働くのが一番おすすめ
SESと自社開発では、働き方が全く違うため、どちらが良いか悪いかは、その人の性格によって異なります。
人見知りの人には自社開発がおすすめですし、幅広い経験を積みたい人にはSESがおすすめです。
どっちがいいかは性格よって大きく変わるため、向いている方に転職するのが良いと思います。
どっちがいいかは人によって違う
- SESは人間関係の変化が激しく、人見知りの人には難しい。
- 自社開発は変化が少なく、飽き性な人は向いていない。
性格や適性、スキルによって、どっちが向いているかは大きく異なります。
そのため自分がSESと自社開発どちらに向いているかで、どっちに転職するかを判断して下さい。自分の適性に応じて、転職先を決めるのがおすすめです。
自分がどっちに向いているか気になる方は、下記の章を参考にしてみて下さい。
1つのスキルの専門家になりたいエンジニアは自社開発
1つのスキルに特化して、スキルを磨きたいエンジニアには、自社開発がおすすめです。
自社開発企業に転職すれば、特定の業界、特定のスキルを扱って、システム開発を行うことになります。
物流システムを開発する企業であれば物流業界に特化。AI開発企業であれば、AIスキルに特化。などのように自社開発企業に転職できれば、特定のスキルに特化できます。
自社のAIシステムの開発に従事している。
AI関連のスキルがかなり高まった。
専門性が高まって、年収も上がった。
自社開発企業で働けば、深い業界知識、自社サービスに特化した専門的なスキルが身に付きます。
専門性を得やすいため、市場価値が高まり、年収もUPしやすいです。
幅広いITスキルを身に付けたい人はSES
エンジニアとして幅広いITスキルを経験したいなら、SESの方がおすすめです。
SESでは、数ヶ月~数年おきに現場が変わります。現場変更の度に、扱うITスキルが変わるため、幅広いITスキルを身に付けられます。
現場でC#やPython、Javaなど、様々な言語を学べた。
客先常駐で現場が変わって、色々な技術を経験できた。
知見が増えて、幅広い知識を吸収できた。
SES(客先常駐)での経験は、今後のエンジニア人生に生きると思います。
自社開発とは違い、様々なITスキルを経験できるため、知見を広げたいエンジニアに、SESはおすすめです。
迷う場合は両方できるIT企業に就職する
SESと自社開発、どっちがいいか迷う場合は、両方できるIT企業に就職するのがおすすめです。
IT企業の中には、客先常駐と自社開発の両方できる企業が存在します。
働き方を自由に選択できるIT企業もあるため、どっちがいいか分からないエンジニアは、どっちもできる企業に転職しましょう。
SESと自社開発両方できるIT企業
- 独立系SIer
- プライム案件が多い優良SES企業
- 大手IT企業
上記がSES(客先常駐)と自社開発の両方ができるIT企業です。
ぜひ転職先に検討してみて下さい。
SESと自社開発の両方ができる企業に転職したい場合は、IT業界特化の転職エージェントに相談してみて下さい。エージェントに相談すれば、両方できるIT企業を紹介してくれるはずです。
SES(客先常駐)に向いている人。自社開発に向いている人の違い。
この章では、SES(客先常駐)に向いている人、自社開発に向いている人を紹介します。
エンジニアの中には、自分がどっちに向いているのか?分からない人も一定数いるはず。性格的にどっちが長続きするのか知りたいエンジニアも多いでしょう。
そこでここでは、SES、自社開発それぞれに向いているエンジニアの特徴を解説します。
- SESに向いているエンジニアの特徴
- 自社開発に向いているエンジニアの特徴
どっちに転職するか迷っている方は参考にしてみて下さい。
「転職エージェントがSESばかりの件」
についても解説しています。
SESに向いているエンジニアの特徴
SESに向いている人の特徴は下記の通りです。
- 飽き性な人
- 幅広いIT知識を得たい人
- コミュニケーションが好きな人
- 人見知りしない人
- 飲み会や人との関りが面倒な人
SESは現場が半年から数年おきに変わるため、飽き性なエンジニアにおすすめ。
アクティブで知的好奇心の旺盛な人にピッタリの働き方です。
自社開発に向いているエンジニアの特徴
自社開発に向いているエンジニアの特徴は下記の通りです。
- 人見知りな人
- 専門性の高いエンジニアになりたい人
- 年収を上げたい人
- 上流工程を経験したい人
- 特定の業界を極めたい人
自社開発エンジニアはSESのように客先常駐や派遣がないため、人見知りのエンジニアに特におすすめです。
実際に筆者も人見知りで、SESの働き方が合わなかったため、社内SEに転職しました。
SESと自社開発はどっちがいいのか?迷っている方は、性格が向いている方に転職するのが良いですね。
SES(客先常駐)と自社開発のメリットデメリット
最後にSES(客先常駐)と自社開発のメリットデメリットを紹介します。
- SES(客先常駐)のメリット・デメリット
- 自社開発エンジニアのメリット・デメリット
それぞれの良い所と悪い所を実体験から解説します。
SESと自社開発どっちがいいか分からないエンジニアは参考にしてみて下さい。
SES(客先常駐)のメリット・デメリット
SESのメリットとデメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
自社の面倒な飲み会に参加しなくてもいい 現場がコロコロ変わるから飽きにくい 職場が嫌なら案件を変えられる 様々な案件のシステム開発を体験できる | 器用貧乏なエンジニアになりやすい 客先常駐で帰属意識が薄れやすい 現場で放置されると実務経験が積めない 人見知りだと常駐先に馴染めない |
SESの一番のメリットは、案件変更ができること。嫌な現場や職場があれば、案件変更できるため、働きやすい環境を保ちやすいです。
同じ職場で働き続けるのが嫌な、飽き性なエンジニアには、SESがおすすめです。
逆に数か月おきに現場がコロコロ変わるため、人見知りの人にとってはかなり辛いでしょう。
自社開発エンジニアのメリット・デメリット
自社開発エンジニアのメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
客先常駐や派遣がない 自社の決まったメンバと働ける 年収が高い 上流工程の仕事が多くキャリアの幅が広い | ついていけないと詰む 自社開発は人気で、就職するのが難しい 深い業界知識が求められる 嫌いな人がいても逃げられない |
自社開発エンジニアの一番のメリットは、上流の仕事が多く年収が高いこと。自社開発で経験を積めば、プロジェクトマネージャーやITコンサルへのキャリアアップもしやすいです。
そのため年収を上げたいエンジニアに、自社開発企業がおすすめです。
SESと自社開発、どっちがいいのか迷ったら、メリットデメリットを考慮して決めるようにして下さい。
それぞれの転職方法の違いについて
最後に、SESと自社開発、それぞれの転職方法の違いについて紹介します。
SESと自社開発では、転職難易度はかなり異なるため、それぞれに応じた転職対策を行うべきです。
そこでここでは、SESと自社開発、それぞれに合わせた転職のやり方を解説します。
- 自社開発の方が転職は難しい
- 自社開発への転職は、自社開発特化の転職サイトを利用する
- SESの場合はどの転職サイトを利用しても良い
転職で失敗したくないエンジニアは、参考にしてみて下さい。
SESからのおすすめ転職理由も紹介しています。
合わせて参考にしてみて下さい。
自社開発の方が転職は難しい
自社開発への転職は、かなり難しいです。
自社開発企業は、人気の求人が多く、競争が激しいため、就職倍率が高いためです。
SESと比較しても、4倍程度就職が難しい状況となっています。
自社開発への転職はかなり難しい
- 自社開発エンジニアの就職倍率:9.98倍
- SES企業の求人倍率:2.16倍
自社開発はかなりハードルが高いため、転職を検討している方は注意して下さい。
スキルの低いエンジニアがどれだけ転職活動をしても、自社開発に転職できません。
自社開発へ転職したい場合は、しっかりスキルを身に付け、長期目線で転職活動に取り組むようにして下さい。
自社開発への転職は、自社開発特化の転職サイトを利用する
自社開発への転職の場合は、自社開発特化の転職サイトを利用して下さい。
自社開発の求人は、かなり人気で競争率も高いため、非公開求人が多いです。また、そもそも自社開発の求人自体が少ないため、自社開発の求人を探すのが大変です。
そのため自社開発に転職する場合は、自社開発特化の転職サイトを利用するようにして下さい。
自社開発に転職したいエンジニアには、自社開発特化の転職サイトがおすすめ。SES企業の求人が排除されているから、確実にSESを回避できおすすめです。
SESの場合はどの転職サイトを利用しても良い。
SES企業は転職がしやすいため、どの転職サイトを利用しても良いです。
SESは未経験でも転職できるくらい、転職が簡単です。エンジニア経験者の方であれば、「未経験OK」の求人に応募すれば、ほぼ確実に受かるはず。
SESへの転職は簡単な分、転職先は慎重に、厳選して選んでください。
SES企業の中にはエンジニアを、コールセンターや家電量販店に派遣するブラックSESも存在します。
なるべくブラックSESに転職しないためにも、慎重に転職活動するのが大切です。
まとめ:客先常駐と自社開発はどっちがいいのか?違いやメリットデメリットを紹介
以上で、「客先常駐と自社開発はどっちがいいのか?違いやメリットデメリット」の解説を終了します。
下記この記事のまとめです。
SESと自社開発の主な違いは下記の通りです。
- SESは客先で働き、自社開発は自社で働く
- ITスキルは、SESは広く浅く、自社開発は狭く深く
- 年収は自社開発エンジニアの方が高い
- 転職難易度はSESの方が低い
自社開発とSESの両方で働いた経験から申し上げると、自分に向いている方で働くのがおすすめです。
自社開発とSESどちらにもメリットデメリットがあるため、一概にどちらが良いかは分かりません。そのため、性格的に自分にあっている方に転職するのがおすすめです。
自社開発企業に転職したいエンジニアには、自社開発特化の転職サイトがおすすめです。
興味がある人は、下記の自社開発特化の転職サイトを利用してみて下さい。
SESで働いた経験から
「インフラエンジニアが自社勤務する方法」
も紹介しています。
客先常駐で働くインフラエンジニアは、合わせて参考にしてみて下さい。