この記事では、単価連動型SESとは何なのか?について解説します。
SES企業で働くエンジニアの中に、
単価連動型SESってどんなシステムなの?
単価連動型SESのデメリットを知りたい。
転職するにはどうすればいい?
と気になっている方も多いはず。
そこでこの記事では、単価連動型SESの給与システムや単価連動型SESのメリットデメリットを解説します。
この記事を読めば下記内容が分かります。
この記事を読み、単価連動型SESの特徴を知り、単価連動型SESに転職するか検討しましょう。
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単価連動型SESとは?
この章では、単価連動型SESとは?を紹介します。
単価連動型SESの給与システムや定義、従来SESの違いについて解説します。
- 案件単価に連動して年収が決まる
- 単価の約60%以上が給料になる
- 従来のSESと単価連動型SESの違い
- 新興SESと呼ばれ、ベンチャー企業が多い
単価連動型SESの詳細を知りたいエンジニアは参考にしてみて下さい。
案件単価に連動して年収が決まる
単価連動型SESとは、案件単価に連動して年収が決まるシステムです。
従来のSESのように、年に数回昇給する訳ではなく、案件単価によって給料が決まります。その時々で参画している案件単価をベースに月々の給料が定まります。
案件単価と給与の計算イメージは下記の通りです。
上記のように案件単価に比例して、月給が決定されるのが単価連動型SESです。従来のSESは年数回昇給するのに対して、単価連動型SESでは案件単価アップで一気に年収が上がります。
単価に連動した報酬体系が採用されているため、エンジニアの努力と成果が給料に反映されやすいのが大きな特徴です。
単価の約60%以上が給料になる
単価連動型SESでは、単価の60%以上が、給料になることが多いです。
給料の計算方法はSES企業ごとに違いますが、主に下記の計算例で、給料が算出されます。
単価連動型SESの計算例
- 単価連動型SES企業:A
単価60万円:月給40万円 – 社会保険料6万円 = 月収36万円
単価100万円:月給66万円 – 社会保険料9万円 = 月収57万円 - 単価連動型SES企業:B
単価60万円:月給50万円 – 社会保険料6万円 – 経費5万円 = 月収39万円
単価100万円:月給80万円 – 社会保険料9万円 – 経費5万円 = 月収66万円
単価連動型SESごとに、社会保険料や保険料が引かれたり、各種経費が引かれたり、と計算方法が異なります。SES企業ごとに計算方式が異なるため、思っていた給料と違う!ことも多々あります。
単価連動型SESに転職したいエンジニアは、入社前に給料の計算方法を確認しておくのが良いでしょう。
従来のSESと単価連動型SESの違い
従来のSESと単価連動型SESの違いは、下記の通りです。
従来のSES | 単価連動型SES | |
---|---|---|
給料 | 固定 (年功序列) | 変動制 (案件単価と連動) |
還元率 | 40~60% | 60%以上 |
平均年収 | 約500万円 | 400万円~1000万円前後 |
案件 | SES営業の推薦 | 自己選択 |
福利厚生 | あり | なしの場合が多い |
SES営業のサポート | あり | なしの場合が多い |
教育制度 | あり | なしの場合が多い |
従来のSESと単価連動型SESは、単価連動以外にも、様々な違いがあります。
単価連動型SESは、高年収を維持するために、サポートが薄い傾向にあります。SES営業のサポートがなかったり、案件フォローを自分でしたり、福利厚生がなかったりします。
逆に従来のSES企業であれば、SES営業が、エンジニア以外の業務を請け負ってくれます。従来SESの方が業務の幅が狭く、エンジニア業務に集中しやすいです。
新興SESと呼ばれ、ベンチャー企業が多い
新興SESと呼ばれベンチャー企業が多いことも、単価連動型SESの特徴です。
単価連動型SESは、2020年頃から、急速に普及しました。その頃から設立され始めたのが、単価連動型SES企業です。
高還元SESや案件選択制SESと同じように、新興SESと呼ばれています。
単価連動型SESは、ベンチャー気質の企業が多く、新興企業ばかりなので、倒産のリスクが高いです。こういったベンチャー企業の多さが、単価連動型SESの大きなデメリットになっています。
単価連動型SESと従来SESの違い
この章では、単価連動型SESと従来SESの違いについて解説します。
- 実力主義か年功序列か
- 案件選択制かどうか
- 案件情報を公開しているかどうか
具体的にどういった面が従来のSESと違うのか?を知りたい方は参考にしてみて下さい。
単価連動型SESのメリットデメリット
も紹介しているので参考にしてみて下さい。
実力主義か年功序列か
単価連動型SESと従来SESの一番大きな違いは、実力主義か年功序列かです。
従来のSESでは案件単価に関わらず、年収は一定の割合でしか増えない年功序列型です。逆に単価連動型SESは、若くてもスキルさえあれば稼げる実力主義です。
単価連動型SESは実力主義なので、スキルが高ければ、高単価の案件に参画でき、それがそのまま給料アップに繋がります。しかしその分、案件待機や低単価案件になると、月収20万や10万円に一気に下がります。
実力主義であるが故のメリットとデメリットがあるため注意して下さい。
案件選択制かどうか
単価連動型SESと従来SESの違いとして、案件選択制かどうかも挙げられます。
従来のSESでは、会社がアサインしたい案件を社員に提案する、社員のキャリアや要望に沿っていない案件ばかり提案するケースは珍しくありません。
従来SESでは、エンジニアが自分で案件を選べないことも多いです。
ですが単価連動型SESでは、エンジニア自身が案件を選ぶことが可能です。
エンジニアが、要望を満たした案件リストの中から、入りたい案件を選択し、納得した上で現場に入っていく。案件が公開されていて、自分で条件を吟味しながら案件を選ぶことができます。
案件情報を公開しているかどうか
単価連動型SESと従来SEでは、案件情報の公開度が違います。
従来のSESではエンジニア側には、案件情報が降りてこないです。営業に単価を聞いても教えてもらえなかったり、案件の契約情報を開示してもらえないケースも多いです。
ですが、単価連動型のSES企業は、案件単価から契約ポジションまで、案件に関する全情報をエンジニアに公開しています。このような案件情報の透明性が単価連動型の大きなメリットと言えます。
エンジニア側は案件情報を知れるため、モチベーション高く案件に臨むことができ、努力し易いでしょう。
単価連動型SESのメリット・デメリット
この章では、単価連動型SESのメリット・デメリットを紹介します。
メリット | デメリット |
---|---|
スキルさえあれば年収UPする 単価が公開されている 自分の興味のある案件を選べる 専門分野へのフォーカス モチベーションの向上 | スキルがないと稼げない ベンチャー企業が多く、倒産のリスクがある 営業がや会社のサポートが薄い 案件が変わると年収が下がることがある 2次請け3次請けの案件だと、そもそもの単価が低い |
それぞれのメリットデメリットについて詳しく解説します。
単価連動型SESのメリット
単価連動型SES企業のメリットは下記の通りです。
- スキルさえあれば年収UPする
- 案件単価が公開されており透明性がある
- 自分の興味のある案件を選べる
- 専門分野へのフォーカス
単価連動型SESの一番のメリットは、スキルさえあれば年収が青天井なこと。高単価の案件に参画できれば、年収1000万円以上も狙えます。
自分の頑張りが、給料に反映されやすいので、モチベーション高く働き続けられるでしょう。
単価連動型SESのデメリット
単価連動型SES企業のデメリットは下記の通りです。
- スキルが低いと稼げない
- ベンチャー企業が多く、倒産のリスクがある
- 営業や会社のサポートが薄い
- 案件が変わると年収が下がることがある(年収が安定しない)
- 2次請け3次請けの案件だと、そもそもの単価が低い
単価連動型SESの一番のデメリットは、給料が安定しないこと。単価が低い案件や案件待機になってしまうと、収入が激減します。
もし仮に案件待機になると、収入が0円になることもあるため、注意しましょう。
そのような単価連動型SESのデメリットも考慮しながら、転職するかどうか判断して下さい。
単価連動型SESに転職する方法
この章では、単価連動型SESに転職する方法を解説します。
単価連動型SESに転職するために、具体的にどうアクションすればいいのか?その方法を紹介します。
- 会社ホームページから直接応募する
- 求人の多い転職サイトから単価連動型SESを探す
- 転職エージェントに教えてもらう
単価連動型SESに転職したいエンジニアは参考にしてみて下さい。
会社ホームページから直接応募する
単価連動型SES企業に転職したい場合は、会社のホームページから直接応募しましょう。
転職サイトを経由しなくても、会社のホームページから、企業に応募することは可能です。
上記、単価連動型SES企業の採用ページの問い合わせフォームから、必要事項を入力し、応募するようにして下さい。そうすれば後日、面接の詳細がメールで送られてくるはずです。
おすすめの単価連動型SES企業の一覧は下記に紹介しています。ホームページから応募してみて下さい。
求人の多い転職サイトから単価連動型SESを探す
単価連動型SESに転職したい場合は、求人の多い転職サイトを利用しましょう。
単価連動型SESの割合は、全体のSESに比べて、かなり低いです。単価連動型SESはかなりレアな企業なので、普通に探しても見つかりません。数が極端に少ないため、単価連動型SESを探す際は、なるべく求人数の多い転職サイトを利用しましょう。
大手の求人の多い「doda」や「レバテックキャリア」などを利用し、単価連動型SESを探してみて下さい
転職エージェントに教えてもらう
単価連動型SESに転職したい場合は、転職エージェントに求人を教えてもらうのもおすすめです。
単価連動型SESへの転職が不安なエンジニアは、エージェントに相談するのも一つの手。ITに特化した転職エージェントは、単価連動型SESの求人も取り扱っています。
エージェントに相談して、ホワイトな単価連動型SESを紹介してもらいましょう。
ホワイトの単価連動型SESを紹介します!
ヤバいSES企業の見分け方を教えます。
還元率の計算方法を解説します。
IT業界に特化した転職エージェントは、単価連動型SESの裏事情に詳しいので、ぜひ利用してみて下さい。
単価連動型SESに転職したいエンジニアは、IT業界特化の転職サイトがおすすめ。IT業界に特化しているから、エンジニア求人が多く、自分に合った求人が見つかりやすいです。
単価連動型SES企業の一覧
この章では、単価連動型SES企業の一覧を紹介します。
関東と関西に分けて、有名な単価連動型SES企業を紹介します。
- 東京(関東圏)の単価連動型SES企業
- 大阪(関西圏)の単価連動型SES企業
単価連動型SESへの転職を考えているエンジニアは参考にしてみて下さい。
「案件選択制SES」についても解説しています。
合わせて参考にしてみて下さい。
東京(関東圏)の会社
東京近郊(関東圏)のおすすめ単価連動型SES企業は下記の通りです。
※従来のSES企業の還元率は50%~60%と言われているため、ここでは還元率は60%以上の企業を高還元SESとして紹介しています。
会社名 | 還元率 |
---|---|
株式会社テクニケーション | 75%~90% |
株式会社WEBJIN | 73%~80% |
ノンズ株式会社 | 73% |
MotherComputer株式会社 | 80%~ |
株式会社システムソリューションテクノロジー | 75%以上 |
還元率は会社のHPなどに掲載されているものを参考としています。
会社の採用ページから問い合わせをできるため、転職したい方や話を聞きたい方は、お問い合わせフォームから質問してみましょう。
話を聞いてみて、少しでも怪しいと感じたら、応募は辞めて下さい。
大阪(関西圏)の会社
大阪近郊(関西圏)のおすすめ単価連動型SESは下記の通りです。
会社名 | 還元率 |
---|---|
株式会社テクニケーション | 75%~90% |
株式会社ギグー | 74% |
フューチャー・スクウェア株式会社 | 80%以上 |
東京近郊に比べて数は少ないですが、関西にも高還元SES企業はあります。
ホームページから問い合わせをできるため、転職したい方や話を聞きたい方は、お問い合わせフォームから質問してみましょう。
まとめ:単価連動型SESとは?違いやメリットデメリットを解説
以上で、「単価連動型SESとは?違いやメリットデメリット」の解説を終了します。
下記この記事のまとめです。
単価連動型SESのメリットデメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
スキルさえあれば年収UPする 単価が公開されている 自分の興味のある案件を選べる 専門分野へのフォーカス モチベーションの向上 | スキルがないと稼げない ベンチャー企業が多く、倒産のリスクがある 営業がや会社のサポートが薄い 案件が変わると年収が下がることがある 2次請け3次請けの案件だと、そもそもの単価が低い |
年収が高くなりやすい一方で、営業のサポートが薄いデメリットがあります。
単価連動型SESのシステムは下記の通りです。
- 案件単価に連動して年収が決まる
- 単価の約60%以上が給料になる
- 新興SESと呼ばれ、ベンチャー企業が多い
単価連動型SESで支払われる給料は、案件単価に依存します。年功序列ではなく、実力主義で給料が決まるのが大きな特徴です。
単価連動型SESに転職したいエンジニアは、IT業界特化の転職サイトがおすすめです。IT業界に特化しているから、単価連動型SESの求人が多く、自分に合った求人が見つかりやすいです。
SESで働いた経験から
「40代のエンジニアは何歳まで働けるのか?」
についても紹介しています。
40代のエンジニアは何歳まで働けるのか知りたい方は、参考にしてみて下さい。