この記事では、SESで契約を切られるケースや契約解除の心構えについて解説します。
SESで働くエンジニアの中には

SES企業に契約を切られた。
常駐先で契約解除になった。
契約解除を避ける方法を知りたい。
と悩んでいる人も多いはず。
そこでこの記事では、SESで契約を切られるケースや契約を切られないための立ち回りを紹介します。
この記事を読めば下記内容が分かります。
この記事を読み、SESの案件ガチャについて知り、ハズレの現場の回避方法を知りましょう。





未経験からSESに転職した筆者が紹介。
SESで働いた実体験から解説します。
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SESで契約を切られるパターン|契約解除のケース


この章では、SESで契約を切られるパターンを紹介します。
契約解除に至る主なパターンを解説します。
- 案件終了・契約自体の問題
- クライアント企業の問題
- エンジニア自身の問題
SESの案件ガチャの実態を知りたいエンジニアは参考にしてみて下さい。



SESで働いた実体験から解説します。
案件終了・契約自体の問題
エンジニアの問題ではなく、案件や契約自体の問題で、契約が終了することがあります。
具体的には下記のように、案件の進捗や予算の都合で、契約解除になるパターンです。
- プロジェクトの予算削減(コストカット、外部リソース整理のため)
- プロジェクトの終了・縮小(開発フェーズが終了し、要員が不要に)
- 社内リソースの活用(SESから自社社員に切り替える方針になる)
- 契約条件の不一致(単価交渉で折り合いがつかない)
案件や契約の問題による退場であれば、エンジニア自身は気にしなくても大丈夫です。
エンジニアに責任はないため、しっかり引継ぎをして、気持ちよく退場してOKです。
クライアント企業の問題
契約を切られるパターンの中には、クライアント企業の問題も含まれています。
元請けIT企業や2次請け企業、発注元など、自社とは関係ない企業の問題により、契約解除に至るケースもあります。
- システム開発依頼元企業の倒産
- 常駐先の企業の倒産
- プロジェクト自体の終
上記のパターンの場合も、エンジニア自身に責任はないため、特に気にしなくても大丈夫です。
むしろクライアント企業に契約違反があるため、クライアントから自社に、損害賠償が支払われることがあります。
エンジニア自身の問題
エンジニア自身の問題で、契約を切られるパターンもあります。
このパターンでの契約解除は、就業態度の悪さやスキル不足が多くの割合を占めます。
- 就業に支障をきたすレベルのスキル不足
- 契約エンジニアのミスによる損失
- 重大な契約違反(情報漏洩など)
- 勤怠不履行(遅刻、早退、欠勤、私用外出など)
契約を切られた原因がエンジニア自身にある場合は、重く責任を受け止める必要があります。
スキル不足であれば、スキルアップする必要があります。就業態度が悪ければ、態度を改める必要があります。
エンジニア自身が原因で、契約を切られたのであれば、原因をしっかり分析し、次は契約解除にならないように対策するようにして下さい。
常駐先から契約を切られる理由


この章では、常駐先から契約を切られる理由を紹介します。
ここでは客先常駐先のクライアントの職場から契約解除になる要因を解説します。
- 深刻なスキル不足
- 経歴詐称・スキル詐称
- クレームが改善されない
常駐先(クライアント先)から契約解除になるケースを知りたい方は参考にしてください。
深刻なスキル不足
常駐先から契約を切られる最も多い理由が、深刻なスキル不足です。
当たり前ですが、スキル不足で仕事ができないと、現場でクレームが入ります。そのクレームが改善されないまま、働き続けると「深刻なスキル不足による就業不能」とされ現場をクビになるでしょう。
- スキル不足でいつも納期遅れ
- 指示を正しく理解しない・誤解が多い
- システムのコーディングミスで損害が発生
ある程度のスキル不足なら、常駐先も我慢して許してくれます。
しかし就業に影響の出るレベルでスキル不足だと、クレームを受け、契約を切られやすいので注意して下さい。
勤怠や態度の問題
勤怠や態度に問題があると、常駐先から契約を切られやすいです。
当たり前の話ですが、客先常駐エンジニアとして現場に入ると協調性が求められます。常駐先で問題を起こすような人は、契約解除になりやすいです。
契約解除に繋がる就業態度
- 態度が悪い・協調性がない(自己中心的、指摘を受け入れない)
- 遅刻・欠勤が多い(連絡なしの遅刻や長期欠勤)
- 仕事中の態度が悪い(サボる、スマホばかり見る、やる気がない)
- 社内ルールを守らない(機密情報の取り扱いが雑、セキュリティポリシー違反)
- 勤務時間外の問題行動(SNSでの不適切な発言、取引先や会社の悪口)
もし常駐先で契約を切られたのであれば、上記就業態度に問題がなかったか、確認するようにして下さい。
クレームが改善されない
クレームが改善されないことも、常駐先から契約を切られる要因です。
スキル不足や就業態度が原因で、クビになることはありますが、一度の注意で契約解除になることはありません。何度注意をしても改善されない場合に、契約を切られます。



あの派遣エンジニア、就業態度が悪いな。
クレームを入れたけど、一向に改善されない。
契約解除しよう。
何度も同じクレームを受け、それが改善されないと、常駐先からの信用を失います。
最終的には常駐先から契約を切られることになるため、SESエンジニアは注意して下さい。
SES企業(自社)から契約を切られる理由


この章では、SESの自社から契約を切られる理由を紹介します。
ここでは所属するSES企業からクビになるケースを解説します。
- 案件待機が多すぎる(常駐先が決まらない)
- 1~3カ月の短期退場ばかり
- 自社の倒産の危機
SES企業で働くエンジニアは参考にしてください。
案件待機が多すぎる(常駐先が決まらない)
案件待機が多すぎるSESエンジニアは、契約を切られやすいです。
SESエンジニアは案件が決まらず、待機が続くと、その間の給料がまるまる赤字になります。
企業側からすると、待機中のエンジニアは会社のお荷物でしかないため、クビや契約解除にしようとします。
案件待機が半年、1年と続くと、契約終了の判断をするSES企業が多いです。案件待機が長引いているエンジニアは注意して下さい。
1~3カ月の短期退場ばかり
1~3カ月で短期退場ばかりのエンジニアも、SESの自社でクビになりやすいです。
SES企業側からすると、短期退場が多いエンジニアは、コストがかなり掛かります。営業の案件獲得や案件待機中の給料など、無駄なコストが掛かるためです。
短期退場の多いエンジニアは、会社としてはクビにしたい存在。そのため早期退場が続いているエンジニアは、自社から契約解除になりやすいです。
自社の倒産の危機
エンジニアが在籍するSES企業が倒産危機の場合も、自社から契約解除になることがあります。
所属するSES企業が、資金繰りに困り、会社の経営が回らなくなると、真っ先にエンジニアが足切りされます。会社の利益に貢献していないエンジニアから、契約を切られます。
経営不振で真っ先に切られるエンジニアの特徴
- スキル不足
- 案件待機中
- 低単価
倒産危機で契約を切られるのは、会社の利益に貢献しないSESエンジニアです。
もし今スキル不足なのであれば、資格取得やスキルアップに励み、契約を切られないレベルのスキルを身に付けて下さい。
エンジニア側から契約を切ることもできる


この章では、エンジニア側から契約を切ることもできるという話をします。
SESエンジニアの中には、現場を退場したい人や契約更新を断りたい人も多いはず。そこでここでは、エンジニア側からの契約解除について紹介します。
- 自社と常駐先が了承すれば、契約解除は可能
- やむを得ない事情があれば、意見が通りやすい
- パワハラやイジメなど証拠があれば退場しやすい
契約更新を断りたいエンジニアや退場したいエンジニアは参考にしてください。



実際に自分から契約解除を依頼した経験から解説します。
自社と常駐先が了承すれば、契約解除は可能
自社と常駐先が了承すれば、エンジニア側の要望でも契約の途中解除は可能です。
SES契約や派遣契約は、自社と常駐先が交わす契約です。そのため両者の責任者が承諾すれば、契約を解除することが可能です。
現場を辞めたい人や今すぐ退場したいエンジニアは、自社と常駐先の上司に相談するようにして下さい。
契約解除を相談する流れとしては、「自社上司 ⇒ 客先上司」の順番で行うようにして下さい。いきなり常駐先の上司に契約解除を依頼するのは失礼です。
やむを得ない事情があれば、意見が通りやすい
プロジェクトの契約途中であっても、やむを得ない事情があれば、契約解除したり、契約更新を断りやすいです。
どうしても今すぐ現場を辞めたい場合は、やむを得ない事情を上司に伝えるようにして下さい。
- 地元の親が倒れて、介護が必要
- 常駐先からのパワハラやイジメ
- 転職による退職
- うつ病、メンタル疾患
どうしようもない事情があれば、労働者保護のために、常駐先も契約解除に動いてくれるはず。
まずは契約解除できないか、上司やSES営業に相談してみて下さい。
パワハラやイジメなど証拠があれば退場しやすい
パワハラやイジメなどの証拠があれば、現場を退場しやすいです。
パワハラなどが原因で、契約解除したい場合は、パワハラの証拠を集めるようにして下さい。
- メール・チャット:「パワハラ発言」や「理不尽な指示」は記録を残す
- 勤怠記録を保存:サービス残業や過度な労働時間を記録
- 録音や録画を活用:動画や音声などで、言い逃れできない証拠を残す
上記のような電子データや録音録画データで、パワハラの証拠を集めて下さい。デジタルデータの方が、エビデンスとして、信頼性が高いです。
証拠が十分に集まったら、自社の上司やSES営業に相談して下さい。
SESで契約更新を断る、退場する時のコツ・心構え


この章では、SESで契約更新を断る、退場する時のコツ・心構えを紹介します。
- 1ヶ月前、2カ月前に予め退場を示唆しておく
- 理由はポジティブ & 抽象的に
- 営業との連携も大切に
- 契約を断るのは悪いことではない
SESの現場を退場したい方は参考にしてください。
1ヶ月前、2カ月前に予め退場を示唆しておく
契約の更新を断りたい、あるいは常駐先からの退場を希望する場合は、最低でも1〜2カ月前には事前に意思を示すことが大切です。
突然「退場したい」と伝えても、常駐先はすぐに対応することができず、混乱を招く可能性があります。後任の手配や引継ぎの準備には時間がかかるため、早めに退場の意向を伝えましょう。
退場の意思は、最初は「更新はまだ未定です」「今後の継続は検討中です」といった“示唆”の形で構いません。これにより、常駐先側も早期に対応の準備ができるはず。
ポイントは、常駐先に過度な負担をかけず、トラブルなく円満に退場することです。そのためにも、タイミングを見て適切に意思表示を行うよう心がけましょう。
理由はポジティブ & 抽象的に
退場や契約解除の理由は、なるべくポジティブかつ抽象的な内容が望ましいです。
穏便にトラブルなく辞めるためにも、なるべく感情的な表現は避けるようにして下さい。
理由はポジティブ & 抽象的に
- 避けるべきNG理由
「現場が合わない」「人間関係が悪い」など、ネガティブな理由
愚痴や悪口
- おすすめ理由(抽象度高め)
キャリアチェンジやスキルアップのため
ライフスタイルや働き方の見直し
将来的な方向性の再構築
抽象的になればなるほど、周りの社員は理由を問い正しにくくなります。距離感維持のためにも、なるべく具体的な理由は避けましょう。
退場理由の例文は下記の通りです。
● 例文:
「今後はよりインフラ寄りのスキルを深めたいと考えており、それに伴い別の案件を検討しています」
営業との連携も大切に
契約解除のときは、SES営業への連携も大切にしましょう。
営業に退場の旨を少し早めに伝えることで、営業も事前に仕事を進められます。常駐先と自社上司だけではなく、SES営業ともしっかり連携を取りましょう。
- 元請けとの調整、次の案件への移行もスムーズ
- 常駐先との連携を取りやすい
- SES営業の準備時間が増える。
SSES営業と、今後上手くやっていくためにも、なるべく負担を掛けないよう連携して下さい。
営業への契約解除の伝え方例は、下記の通りです。
● 例文:
「今の現場に大きな不満はないのですが、今後の方向性を考え、今回は更新を見送ろうかと思っています」
契約を断るのは悪いことではない
契約を断るのは悪いことではないことを、SESエンジニアは認識しておいてください。
常駐先や案件を決定するのは、SESエンジニアの大切な権利です。そのため嫌な現場であれば、断っても大丈夫です。
- 勤務場所を決めるのは、労働者の権利
- 次の案件で高単価になれば、会社の利益に貢献できる
- 現場変更で自身のキャリアアップに繋がる
今の現場を退場しても、SES営業が新しい案件を持ってきてくれます。
より高単価の案件に参画できることもあるので、契約解除を悪いことと認識しなくても大丈夫でしょう。
SESで契約を切られた時は転職のチャンス
SESで契約を切られた時は、転職のチャンスです。
この記事を見ている人の中には、「今の会社を辞めたい」「他の職種に転職したい」という人も多いでしょう。
そのような人には、SESからの転職をおすすめします。
- SESから自社開発・社内SEに転職できる
- 年収UPの可能性がある
- 現場退場のタイミングが転職しやすい
SESで契約を切られる人は、SESに向いていません。
心機一転、心の切り替えのためにも、契約解除になったら、転職活動を始めてみるのも良いでしょう。
SESから転職したいエンジニアには、自社開発・社内SE特化の転職サイトがおすすめです。SESやIT派遣企業の求人が排除されているので、確実にSESから脱出できるでしょう。
まとめ:SESで契約を切られる?契約解除になるケースや対処法を解説


以上で、「SESで契約を切られる?契約解除になるケース」の解説を終了します。
下記この記事のまとめです。
SESで契約を切られるパターンは下記の通りです。
- 常駐先から契約を切られる理由
・深刻なスキル不足
・経歴詐称・スキル詐称
・クレームが改善されない
- SES企業(自社)から契約を切られる理由
・案件待機が多すぎる(常駐先が決まらない)
・1~3カ月の短期退場ばかり
・自社の倒産の危機
常駐先から契約を切られるパターンは、エンジニアのスキル不足がほとんどです。もし現場をクビになったら、スキルを磨くようにして下さい。
契約を切られて、辞めたいと感じているSESエンジニアは、転職を検討してみて下さい。
SESから自社開発や社内SEに転職したいエンジニアは、下記の自社開発・社内SE特化の転職サイトを利用してみて下さい。



「SESの現場で3カ月働いた体験談」
も紹介しています。
SESの客先常駐のリアルな体験談を知りたいエンジニアは、合わせて参考にしてみて下さい。

